「感染防止と花火観賞」両立へ 三陸・大船 渡夏まつり 初のエリア指定席導入 飲食は〝屋内完結〟要請

▲ 花火大会に合わせてエリア指定席となる茶屋前岸壁

 8月6日(金)と7日(土)に開催される三陸・大船渡夏まつりに向け、主催する同実行委員会(齊藤俊明委員長)は新型コロナウイルス感染防止策の一環で、例年にはない「エリア指定席」などを設ける。飲食・露店ブースは設けず「屋内での飲食完結を求める」とし、実行委では関係機関に協力を要請。岸壁周辺での催事が縮小される分、広範囲で花火を観賞する動きが予想され、家族や個人単位による感染防止・安全確保の徹底も求められる。(7面に関連記事)

 

対策徹底周知がカギに

 

 実行委は先月7日に総会を開き、2年ぶりの開催を決定。「新型ウイルスの影響で沈みがちな地域に希望や元気を届けよう」と成功を誓い合ったほか、感染防止策を講じて、規模を縮小させる方針も確認した。
 令和元年の開催時と比較し、大きな変更点の一つは、観覧チケットの販売。感染防止の観点から、観覧会場となる茶屋前岸壁の入場は、今月8日から販売が始まるチケット購入者に絞る。さらに県内在住者に限定し、当日販売は行わない。
 花火大会に合わせたエリア指定席は、大船渡丸特設ステージに近い茶屋前岸壁と、みなと公園に確保。各エリア内であればどこでも観覧できる。1人1000円で、小学生以下は無料。折りたたみいすや、座るためのシートなどの持ち込みは可とする。
 さらに、須崎川河口南側の漁港付近には「パーキングビューエリア」も設定。駐車してそのまま車を降りずに花火観賞ができる区域で、乗用車1台5000円とする。
 気仙両市のマイヤ各店とサン・リア、大船渡商工会議所本所で販売。各エリア合わせて、約3000人を収容できる。会場エリア内の飲食は、水分補給を目的としたソフトドリンクのみとし、アルコールの持ち込みは禁止する。
 今年は実行委として、ステージイベントや飲食・露店ブースは設けない。「飲食は店内で完結するように」とし、会場周辺の飲食店や商店街組織に協力を要請。キャッセン大船渡ではまつり期間中、屋外イベントは行わない方針を決めた。
 町内の店舗からは「イベントをやりたいのはやまやまだが、今年はやむを得ない」「われわれも我慢するのだから、食べ歩きをしないように徹底してほしい」といった声が聞かれる。
 エリア指定席や各店舗では感染防止を図る一方、実行委は周辺の私有地での家族やグループ単位での飲食を伴う観賞は、制限できないジレンマも抱える。実行委では「まつりであっても、感染防止策はこれまでと変わらない」とし、協力を呼びかける。
 東日本大震災の復旧・復興事業が進み、茶屋前岸壁対岸の赤崎町側の道路や港湾付近からの観賞も予想される。通行のさまたげにならないなど、個人の〝自己責任〟が求められる。
 夏まつり初日の6日は午後6時から、海上七夕湾内巡航パレードを大船渡湾内で計画。現段階で18隻が参加する予定。
 7日は午後6時から、茶屋前岸壁特設ステージで開催式を行い、午後7時30分からは8000発を打ち上げる花火大会が始まる。さらに「大船渡・海を愛する会」による海上七夕湾内巡航パレードとの競演も予定されている。
 まつりに関する問い合わせは同実行委(同商議所内、℡26・2141)へ。