新型コロナウイルス/接種会場までタクシーどうぞ 市が移動困難者向けに独自支援 片道500円で利用可能
令和3年7月9日付 7面

陸前高田市は、新型コロナウイルスワクチン接種を受ける移動困難者をサポートしようと、タクシー運賃の助成を行っている。片道500円の定額で接種会場と自宅を行き来でき、市が超過分を負担する。助成期間は9月末までの予定。コロナ禍の打撃を受ける地元のタクシー会社にとっても売り上げ確保につながる支援で、対象者の利用を呼びかけている。
対象は、市内医療機関や集団接種会場でのワクチン接種を予約し、かつ運転免許がなかったり、車やバスを利用できず移動手段に困っている人。800人程度の利用を想定している。
市内タクシー会社は、㈱気仙タクシー、高田タクシー㈲、㈲高田交通の3社。接種日の前日までに、いずれかの会社に電話で接種会場と日時を伝え、タクシーを予約すれば、当日、市内どこからでも片道500円、往復1000円で利用できる。
新型ウイルス流行後、苦境に立つタクシー会社側も市独自の助成を歓迎する。高田交通の同助成利用件数は7日現在18件で、佐藤保代表取締役(70)は「われわれのことも配慮してくれた、大変ありがたい支援だ。ワクチン接種の進ちょくにもつながる」と感謝する。
同社は昨年以降、利用が通常の7割以下に落ち込んでいる。佐藤代表取締役は「売り上げが半分以下となればお手上げだ。そうならないよう自助努力も重ねているが、限界がある。一日も早くワクチン接種が進み、地域経済が活発になってほしい」と切実に話す。
同市では、5月下旬から65歳以上のワクチン接種が始まった。今月4日現在、接種の予約を済ませたのは個別、集団合わせて6978人で、対象の95・6%を占める。うち、1回目を接種したのは5898人で、接種率は84・5%。2回目も終えたのは2601人で、接種率は37・3%。計画通り今月中におおむね接種を完了する見通しで、64歳以下の接種も進めていく。
6月からは、集団接種会場の保健福祉総合センターと各地区を結ぶ接種者専用の無料送迎バスを運行。バス停や医療機関までの移動が困難な人のため、タクシーによる移動支援も検討してきた。
タクシー予約は、気仙タクシー(℡55・3241)、高田タクシー(℡55・3118)、高田交通(℡56・2000)まで。助成に関する問い合わせは、市保健課(℡54・2111内線233)、またはまちづくり推進課(内線124)へ。