新分野の「看護師」募集 地域おこし協力隊 医療の担い手確保図る

▲ 新分野での地域おこし協力隊を募集。着任後は訪問看護ステーションで研修を積む

 住田町は8月15日(日)まで、新分野での地域おこし協力隊(看護師)を募集している。中山間地域の医療を担う人材育成を目的とするもので、着任後は一般社団法人未来かなえ機構が運営する訪問看護ステーション「すみちゃん」で研修を積む。医療資源が限られた同町において人材定着を図り、医療の担い手確保に努めていく。
 地域おこし協力隊は、三大都市圏をはじめとする都市地域等の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらうことで人材の定住・定着を図りながら地域力の維持・強化を進めようとの制度。
 同町の医療機関は現在、県立大船渡病院附属住田地域診療センターのみ。医療資源が限られる中、町民が住み慣れた地域で安心して暮らしていくために、疾病予防や福祉・介護の領域とも連携した環境づくりが求められている。
 町では保健・医療・介護・福祉の連携体制を維持するため、医師、看護師、保健師、薬剤師、救急救命士や、介護サービス事業者などの関係機関とともに、自宅での医療的ケア児、がん患者、高齢者など幅広い世代へのケアを行っているが、こうした中で医療機関や介護サービス事業所の看護師の高齢化が課題となっている。
 このため、さまざまなケアを経験し、広範囲の知識や技術、経験を有する〝ジェネラリスト〟として、中山間地域の医療の担い手となる人材を地域おこし協力隊として募集する。
 募集対象は▽応募時点で20歳以上45歳未満(性別問わず)▽三大都市圏または地方都市等に居住し、着任後は住田町に住民票を移して居住できる人▽看護師の資格、普通自動車免許を取得している▽パソコンの操作ができる▽医療的ケア児、がん患者、高齢者と幅広い世代の人のさまざまなケアを経験し、幅広い知識取得と経験を得て中山間地域の医療の担い手となる志がある──のすべてを満たす人。
 募集人数は1人で、着任後は訪問看護ステーションで研修を積み、取り組みの発信、PR活動も担う。
 応募は、町ホームページからもダウンロード可能な書類に必要事項を記入し、住民票の写しや運転免許証のコピー、資格証明書類を添えて町保健福祉課(〒029・2396住田町世田米字川向88の1、℡46・3862、FAX46・2489)まで郵送か持参を。問い合わせも同課まで。
 このほか、町では本年度、町内医療機関への就職を条件に奨学金返済にかかる補助金を交付する「看護師確保対策奨学金返還補助金」を創設。加えて奨学生に新たに「看護職枠」を設け、地域おこし協力隊を含めた〝3本柱〟の施策で地域医療の充実・強化を図っていく。
 町保健福祉課の千葉英彦課長は「地域の医療の担い手として志ある方が来てくれれば。さまざまな取り組みをしながら人材確保に努めたい」と話している。