新型コロナウイルス/宿泊観光回復事業 21日から「第2弾」開始  4000円割引と1000円クーポン 1万泊分の利用見込む

 大船渡市の宿泊観光回復事業「大船渡に泊まってHappy!大作戦Part2」は、21日(水)から始まる。市内の宿泊施設を利用する県内居住(市民も含む)の観光客に対し、宿泊料金のうち4000円を割り引き、市内飲食店や商店で使える1000円分のクーポン券を配布。昨年秋に続く実施で、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ宿泊需要の底上げと、地域活性化を見据える。今年は東京オリンピック・パラリンピックに伴って7月下旬にも大型連休があり、関係者は観光再興への後押しに期待を込める。

 

県事業など併用も可能

 

 この事業は、新型ウイルスの影響で減少した観光客や宿泊の回復に加え、市内飲食店や商店の利用喚起を図る取り組み。対象宿泊施設に県民が観光目的で宿泊する場合、宿泊料金の一部として4000円を助成。さらに、市内店舗で使えるクーポン券を配布する。
 事業運営を受託する市観光物産協会によると、宿泊施設は7日段階で17事業者が参加の意向を示した。クーポン券が利用できる加盟店は、飲食店や小売店、理美容、ガソリンスタンド、薬局など430店舗に上る。
 対象期間は21日から来年1月31日(月)までの宿泊分としているが、上限の1万泊に達した時点で終了。クーポン券は来年2月1日(火)まで利用できる。
 利用者は対象宿泊施設に電話かオンラインシステムで予約。料金やプランは施設ごとに異なるため、利用者は予約時に宿泊施設から宿泊料金を確認する。宿泊料金が5000円未満の場合、宿泊者の負担額は1000円とする。
 対象宿泊施設では、利用者が観光目的であることを確認し、チェックイン時に1人1000円分のクーポン券を配布。利用者は助成による割引適用後の料金を支払う。
 県が8月22日(日)の宿泊分まで実施し、旅行・宿泊代金を割引して土産物店などで利用できるクーポン(買い物)券を発行する「いわて旅応援プロジェクト」をはじめ、他の助成事業との併用が可能。割り引きの組み合わせによっては1万円を超える正規料金でも半額以下で利用できる。
 連泊は1回につき2連泊を上限とするが、利用回数は制限しない。修学旅行も助成対象とする。
 今年は東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、三つの祝日が移動。これにより、開会式が行われる7月23日前後が4連休、閉会式が行われる8月8日前後が3連休になる。7月の大型連休に合わせた事業開始とし、宿泊回復の後押しを図る。
 この宿泊回復事業は、昨年9月から今年2月にかけても実施。前回は観光目的の県民向けには宿泊料金を最大4000円分助成し、1000円分のクーポン券を配布。市民向けには、5000円を助成した。利用実績は県民が8499人、市民が1650人の計1万149人で、落ち込んだ宿泊業の底上げに貢献した。
 昨年の市内の宿泊者数は13万1480人。前年を約8万人下回り、東日本大震災翌年の平成24年以降では最少に落ち込んだ。厳しい状況が続いた一方、同事業をはじめさまざまな支援措置が講じられた9〜11月の宿泊者数は、前年同月の7〜9割にまで回復。県内宿泊客を対象とした事業の効果が出た形となった。
 事業に関する問い合わせは市観光物産協会(おおふなぽーと1階、℡21・1922)へ。割り引きのイメージ図は別掲。