2021住田町長選/現職・神田氏が再選 前々回選以来の無投票で 「医・食・住」充実へ意欲新た

▲ 支持者から再選を祝う花束を受け取った神田氏

 任期満了に伴う住田町長選は13日、告示された。立候補を届け出たのは現職の神田謙一氏(62)=下有住=のみとなり、平成25年の前々回選以来の無投票で2度目の当選が決まった。2期目は8月5日(木)からスタート。人口減少や新型コロナウイルス対応などの課題が山積する中、神田氏は1期目に引き続き「医・食・住」の充実を掲げ、地域産業の再生・振興や若者の定住促進、子育て環境充実などに取り組んでいく意欲を示している。

 

〝無風〟選挙戦に幕

 

 町制施行から数えて18回目となった同町長選は、8月4日(水)の任期満了に伴うもの。立候補届け出の受け付けは13日午前8時30分から、町役場町民ホールで行われた。
 受け付けには、神田氏の代理人2人が出席。届け出を済ませると、街頭演説用標旗や腕章といった選挙の「七つ道具」を受け取った。
 その後、下有住中上の選挙事務所前で同9時ごろに第一声。総括責任者の泉金一後援会会長が「過去4年間の経験を生かして活力あるまち、夢と希望あふれるまち、持続可能なまちづくりを目指して頑張っていく。変わらぬご支持、ご協力をお願いしたい」とあいさつし、瀧本正德町議会議長も応援のマイクを握った。
 神田氏は1期目に取り組んだ各種施策に触れながら、「『医・食・住』の三つの要をボトムアップしながら、町民の命、健康、幸せを守るための取り組みを進めていきたい」と強調。「みんなで支え合いながら住田を盛り上げ、財政は厳しいが、われわれには次世代にツケを残すことなくつないでいく責務がある。将来の子どもたちのために、次世代のためにこのまちをつくっていきたい」と訴えた。
 同9時30分ごろ、神田氏は選車に乗り込み町内の遊説へと出発。締め切りの同日午後5時までに神田氏のほかに届け出はなく、同氏の無投票当選が決まった。防災行政無線で無投票となった旨のアナウンスが流れると、事務所に集まった約50人の支持者からは大きな拍手が巻き起こった。
 新型コロナウイルスの感染拡大防止のためにバンザイは行わず、支持者らは拍手で再選を祝福。
 神田氏は、「きょう一日、町内を回ってご声援をいただき、4年間の取り組みについてご理解いただいたと感じた。町民が一つになった結果が無投票につながったと思う」としたうえ、「初心に帰り、一生懸命、次の4年間へと取り組みを進めていきたい」と決意を語り、2年目に入った町総合計画の推進などに意欲を示し、町政へ臨む決意を新たにした。
 当選証書付与式は19日(月)午前9時から、町民ホールで行われる。

 

【神田氏の略歴・公約】

 ◇略 歴
 下有住出身。日本獣医畜産大学大学院修士課程修了。昭和59年に住田町農協に入り、合併した陸前高田市農協を経て、平成19年に住田フーズ㈱取締役生産部長、24年に同社常務取締役に就任。29年、町長選に出馬して当選、現在1期。昭和34年1月13日生まれ、62歳。下有住字中上128。
 ◇公 約
 ▽保健・医療・福祉・介護連携体制の構築▽子育て環境充実▽農林業と地域産業の再生・振興▽住まい環境の改善促進──など。