陸前高田市の高田米崎間道路 29日全線開通 高台通る新設2㌔ 利便性向上に期待

▲ 29日に利用開始する区間とアップルロードとの交差点。全線開通後、利便性向上が図られそうだ

 陸前高田市の高田地区─米崎地区間の高台を横断する市道「高田米崎間道路」(延長約2・0㌔)のうち、未開通の東側約0・4㌔区間が29日(木)午前10時ごろに利用を開始し、全線開通を迎える。東日本大震災の津波浸水地を避けた安全な高台の往来が可能となり、利便性が大幅に向上する。付近は通学路として使われるほか、既存路との交差点もあるため、市はドライバーに細心の注意を呼びかける。

 

市が走行に注意呼びかけ

 

 21日に開かれた市議会全員協議会で、市当局が開通時期を明らかにした。
 高田米崎間道路は、高田地区の高台住宅や県立高田病院、高田小学校前を通る高田北幹線(延長約1・2㌔)と、主要地方道大船渡広田陸前高田線(通称・アップルロード、延長約26・1㌔)の間を山側で結ぶ新設道路。同市の震災復興計画を引き継ぐ「まちづくり総合計画」(平成31年度~令和10年度)でも道路整備に関する主要施策の一つに掲げ、平成25年度に事業着手した。
 幅員13・5㍍の2車線で、車道幅は片側3・75㍍ずつ。道路両側に幅3㍍の歩道と路肩を設ける(一部片側のみ)。総事業費は約23億円で、国の社会資本整備総合交付金(復興枠)を全額充てる。
 当初は今年3月末の開通を予定していたが、道路上の支障物移転などで延期。西側約1・6㌔区間は6月11日に利用を始めた。アップルロード側の約0・4㌔区間は、4~5月の降雨で工事が遅れ、開通時期を今月末にさらにずらした。
 同市は震災で国道45号をはじめ主要道路が津波被害を受けた。一時、山側を通る農免道路の交通量が増加したが、線形不良などで安全面に課題があった。
 市は、震災を教訓に幹線道路の整備などを通じた多重防災型のまちづくりを推進しており、一昨年春には、海側から山側へ中心市街地を通って南北を結ぶ広幅員の主要避難路「シンボルロード」が開通。高田米崎間道路が全線開通すれば、さらに自然災害に強い交通網確保につながる。救急搬送の時間短縮や観光振興などの効果も期待される。
 一方で、既存路との交差点は、高田米崎間道路が優先道路となるため注意が必要となる。西側1・6㌔区間では利用開始後、交差点で車同士の交通事故が発生しており、市は、車の通過速度を抑制する「ハンプ」や看板の設置など事故防止対策を強化していく。
 戸羽太市長は「三陸沿岸道路と同様、市内でもいざという時に避難可能な幹線道路が必要と国に訴え続け、整備がかなった道路。冬場の路面凍結時期を含め、事故防止対策を警察などと協議しながら検討していく」と話している。
 開通区間は別掲の通り。