道の駅高田松原 来場者100万人 開業1年10カ月で大台突破
令和3年7月27日付 6面
東日本大震災で被災し、一昨年9月、陸前高田市気仙町の津波復興祈念公園内で開業した道の駅「高田松原」は26日、来場者の累計が100万人を突破した。今月、高田松原海水浴場が震災後初めて開設され、同道の駅西側の「大屋根(屋外休憩施設)」も利用を開始。前身の施設で、震災遺構として保存されている「タピック45(旧道の駅高田松原)」の開業30年を迎えたばかりの中で、生まれ変わった施設が節目の大台を突破した。昨年以降、新型コロナウイルス感染症の影響で休業した時期もあったが、今後は三陸沿岸のゲートウェイとして強い集客力の発揮に期待がかかる。
100万人目の来場者は、金ケ崎町の佐藤優成さん(26)・彩音さん(26)夫妻と長男の來空ちゃん(10カ月)の家族。26日午後3時ごろ訪れ、戸羽太市長が認定証や地域ブランド米「たかたのゆめ」(5㌔)を手渡した。
優成さんは「陸前高田にこんなきれいな道の駅ができて感動した。海でも遊べてよかった」と喜び、「これからもっと多くの人が集まってくれればいい」と期待を述べた。
新たな道の駅は、施設隣にある震災津波伝承館などとともにオープン。指定管理者の㈱高田松原(熊谷正文社長)によると、来場者数は最大で月間8万6000人と人気を集めたが、昨年4〜5月に新型ウイルス感染拡大で約1カ月の休業を余儀なくされるなど大打撃を受けた。
その後、感染症対策を徹底しながら営業を継続。来場者数100万人は当初昨秋の達成を見込み、今なおコロナ影響前の客数には至っていない一方で、本年度は月間4万〜6万人台で推移しており、前年同期を上回っている。
今月17日には、高田松原の海水浴場が11年ぶりに復活。同時期に市が整備した大屋根(屋外休憩施設)が完成し、地元の食をPRする「おかえり気仙マルシェ」が催された。
また、今月16〜25日には、タピック30周年を記念したパネル展「紙面でふりかえる タピック45開業30年の軌跡」も開かれた。
熊谷社長は「本来はもっと前に100万人を達成したかったが、やはりコロナの影響が大きかった。ただ安全・安心な場所として徐々に認知されており、こうしたいい流れを止めることなく、お客さんに満足してもらえるよう努めていく」と思いを新たにした。
戸羽市長は「コロナ禍にあり、厳しい時期もあったことを踏まえると大変うれしく思う。市としても次の段階を見据え、道の駅と中心市街地や他の商業施設を結ぶ陸前高田ならではの移動手段の構築などを図っていきたい」と展望する。