高糖度トマト生産に注力 大船渡東高農芸科学科 ロックウール活用して栽培
令和3年7月28日付 7面
県立大船渡東高校(鈴木博校長)の農芸科学科は、立根町の萱中いこい農場で生食用大玉トマトの生産に力を入れて取り組んでいる。本年度は例年の管理方法に工夫を施し、高糖度トマトの生産に成功。今後の目標は安定生産と収量増加で、同学科の生徒たちが「おいしいトマトを届けたい」と日々の管理に熱を注ぐ。
安定生産と収量増加目指す
同農場では、同科の1~3年生が実習を通じて花や野菜の管理などについて学びながら、育てた花苗や収穫した野菜を春のスプリングフェスタや秋の文化祭などで販売している。
トマトは、同科野菜専攻班の2、3年生10人が総合実習や課題研究の時間を活用して管理、生産にあたっている。鉱物から人工的に作られた繊維で、通気性や保水性に優れる「ロックウール」を使った水耕栽培を行っている。
昨年12月末に種をまき、今年1月にロックウールポットに鉢上げしたあと、さらに面積の広いロックウールベッドに定植し、温度や水、トマトに当たる光量を調節しながら、5月中旬に初収穫。以降、主枝が倒れないようにするための誘引作業や下葉処理など、こまめに手入れしつつ、育ったものから順に収穫しており、収穫したものは校内販売で生徒や教職員に販売するほか、「大船渡東高ロックウールトマト」として大船渡町の地方卸売市場大船渡青果㈱に出荷している。
本年度は、より高糖度なトマトを目指して、供給する水分量などを調整。トマトにわざとストレスを与えることで、実が大きくなりすぎず、糖度も8~9度と例年に比べて上昇した。包丁で切っても崩れにくく、料理にも使いやすいことから、保護者らにも好評だという。
その一方で、トマトに負荷をかけるこの生産方法は温度や水、光の調節が難しく、少しでもバランスが崩れれば、実の大きさや味にばらつきが生まれ、最終的な収量減少にもつながりかねない。夏の暑さの影響も受けやすいといい、同科では高糖度トマトの安定生産に向けて、日々、生徒や教職員が知恵を絞る。
収穫や摘心作業にあたる金野愛恋さん(3年)は「自分たちが育てたトマトが市場に出荷され、店頭に並ぶことを考えると、普段の授業や管理作業から、見た目や味などの品質を意識する。自分たちが高い意識を持って生産に取り組む姿勢が、後輩たちにも伝わっていけば、さらによいものを作れると思う。東高のトマトをたくさんの人に食べてもらい、そのリピート効果にも期待したい」と力を込めた。
同科の紫葉隆則教諭は「気温が高い状態が長期間続くと、高温障害に陥り、味が落ちたり、実の大きさが均一にならなかったりする。安定した生産に向けて、来年はさらに管理や対策に力を入れていきたい」と話している。






