校舎と通学路〝同時並行〟で 9月にも工事本格化へ 市による第一中改築と市道整備

 大船渡市による第一中学校・屋内運動場改築工事と、同校近くの市道関谷轆轤石(ろくろいし)線通学路整備工事は、いずれも9月からの本格化を目指して調整を進めている。現在の校地内北側に、鉄筋コンクリート4階建ての新校舎と屋内運動場棟を新たに整備し、市道も約600㍍で道路拡幅や歩道設置を進める。校舎は令和4年度内の竣工・移転を目指し、通学路整備工事も同年度の完了を見込む。

 

令和4年度の完成目指す

 

 立根町に構える第一中校舎や屋内運動場は、昭和37年竣工で、建設から59年が経過。建物や設備の老朽化が著しく、学校統合による生徒の増加や学習指導要領の改訂などによって、現状に合わせた適正な環境整備が求められていた。
 令和元年度に地区や学校、PTA関係者による建設委員会を設置。委員に加え、市議会も意見を取り入れながら設計案をまとめ、現在の校地内北側に校舎と屋外運動場を改築する形とした。昨年の市議会全員協議会では、改築基本設計に加え、概算総事業費は47億円程度の見込みであることも示した。
 校舎・屋内運動場棟は、鉄筋コンクリート・一部鉄骨造の4階建て。延べ床面積は約8000平方㍍。
 このうち、校舎には普通教室15室や多目的室3室、特別教室、職員室、共同実施事務室、会議室、生徒会室、更衣室、相談室、放送室、保健室、配膳室、地域室などを配置。
 屋内運動場には、アリーナやステージ、部室、器具庫、備蓄倉庫などを計画。校舎側には武道場も設ける。
 このほか、グラウンドには100㍍走路や200㍍トラック、野球場、テニスコート、サッカー場、部室に加え、駐輪場やバスロータリーも確保する。
 本年度と来年度に、校舎と屋内運動場の改築を行い、竣工後、新校舎に移転。5年度に旧校舎を解体し、グラウンド整備を行う。
 一方、市道の通学路整備工事は、同校改築に伴う敷地の改変に合わせ、狭さや通学の安全確保など、長年の地域課題解決を図る。対象の宮田橋~下欠橋間は歩道がなく、狭い部分の舗装幅は約3㍍と、日常的な車両往来にも支障をきたしていた。
 計画延長は592・5㍍。車道幅員は4・5㍍~5㍍で、校舎側に幅1~2・5㍍の歩道をつける。まずは校舎に面した区間から着手し、令和4年度までの着工を見込む。
 市は29日夜、同校で地域住民に工事計画などを示す説明会を開催。近隣の道路は狭く、複数の住民から着工後の大型車両による往来に不安を示す声が寄せられた。
 また、市道と国道との交差点部分での渋滞発生を懸念する発言も。市側は、今後決定する請負業者との協議を深めながら安全を最優先する方針を掲げたほか、工事車両ルートも再度検討する姿勢を示しながら、理解を求めた。
 校舎配置図の整備区間の市道は別掲。