大輪、夏の夜空照らす 「コロナに打ち勝て」  商工会青年部が収束願い花火打ち上げ

▲ 40発の花火がまちを明るく照らした(7月31日午後7時31分)

 住田町商工会青年部(佐々木賢部長、部員8人)は7月31日夜、町内で花火を打ち上げた。同青年部では例年、気仙のトップを切って7月末ごろに開催される町夏まつりに合わせて花火の打ち上げを行っていた。今年は、昨年に続き新型コロナウイルスの影響によって夏まつりが中止となったが、青年部では早期収束への願いを込め、例年よりも規模を縮小したうえで実施。40発の大輪が夏の夜空を焦がした。
 「コロナに打ち勝て 夜空に輝くみんなの想い」と銘打って打ち上げられた2号玉に、新型ウイルスの早期収束と地域活性化への願いを込めた。
 青年部では昨年、夏まつりの中止を受けて「さみしい夏になってしまうので、小さくてもいいから花火だけは打ち上げよう」と、20発の花火を打ち上げた。
 例年は各所に募金箱を設置して協力を求めていたが、今年は町観光協会からの協賛金などを活用した。7月初めごろから、関係機関への説明や相談、打ち上げ場所の環境整備を進め、本番に備えてきた。
 この日は、気仙川に架かる世田米の昭和橋近くの河川敷から打ち上げ。日が沈み、まちが宵闇に包まれた午後7時30分ごろ、開始の合図とともに次々と花火が上がり、架け替えを控える昭和橋やまち並みを明るく照らした。
 密集を避けるために、町民への事前告知は一切行わず、サプライズでの打ち上げとなったが、花火開始の号砲を聞きつけた近隣住民が軒先から花火を見上げるなど、静かながらも夏らしい光景が広がった。
 佐々木部長(34)は「少しでもまちの活気を取り戻すことができれば」と花火に込めた思いを語り、「一日も早くコロナが収束し、来年こそは通常の夏まつりのように花火を打ち上げたい」と願っていた。