19日から実証実験開始 新たな移動手段確保へ 矢作町二又地区が乗り合い型車両試験運行

▲ 実証実験開始に向け、7月下旬にはドライバーが利用する電気自動車を確認

 陸前高田市矢作町二又地区のコミュニティ推進協議会役員や公民館長、民生委員らでつくる矢作地区地域支え合い会議協議体は19日(木)から、住民自らドライバーとなり移動困難な高齢者を乗せる乗り合い型車両運行の実証実験を始める。高齢化を背景に新たな移動手段の確保を最優先に取り組む地域課題に掲げ、解消策を検討してきた。実証実験は来年3月末まで行い、事業効果を探っていく。

 

 矢作地区コミュニティ推進協議会による地域支え合い会議が2日夜、同地区コミセンで開かれ、住民らが実証実験前に運行内容を最終確認した。
 車両は、7人乗り1台を市内の電気自動車(EV)レンタカー会社から借りる。運賃は無料で、実証実験中の運行にかかる経費は市が負担する。
 利用対象は、車に1人で乗り降り可能で、運転免許がない、または免許を返納したなど移動手段に困っている人。1回当たりの定員は、運転手を除く6人。利用希望者は7月末時点で12人で、ボランティアドライバーは11人が担う。
 運行日は毎週木曜日。午前9時に出発し、予約した利用者宅や自宅そばの市道まで順番に迎えに行く。ルートは基本的に買い物を想定して設定しており、二又地区から高田町の中心市街地を経由し、米崎町まで1往復する。
 高齢化が深刻な同市では、移動困難な人の「生活の足」確保が課題となっており、二又地区は一昨年度から住民間で解決策を検討している。
 市内では、横田地区が先行的に無料送迎の実証実験に取り組み、今春から乗り合い型車両「らいじん号」の本格運行を開始。コミセン単位で実証実験に乗り出すのは二又地区が2例目で、横田地区の取り組みを参考にしながら、運行方法やルートの設定、ドライバーの確保に向けて話し合ってきた。
 7月下旬には、ドライバー向けに運転講習が開かれ、利用するEVの機能も確認。今月10日には、利用者の乗り場や運行ルートを最終確認する。