名古屋友好の踊り曲聞いて 市庁舎正午に特別放送 今月末まで 市民への普及目的に

▲ 歌の放送後、市民交流スペースで踊りの振り付け動画を流している

 東日本大震災を機に絆を深めている陸前高田市と愛知県名古屋市の交流の証しとして両市の日本舞踊関係者らが共同制作した踊り曲『いこまいたかた、あばっせなごや』の歌が、市庁舎で毎日正午に放送されている。市民に親しんでもらおうと、市が今月末まで通常の同市民歌に代えて流しており、夏のお祭り行事などで使われるにぎやかな踊り曲が昼を告げている。

 

 市庁舎内で同曲を流す取り組みは、名古屋市が先行して7月中旬に始め、陸前高田市側もこれに連動し、今月2日、市民歌から切り替えた。歌が終わったあとは、市庁舎1階市民交流スペースのモニターで、踊り曲の振り付けを収録した3種類の動画を流しており、誰でも気軽に見ることができる。
 踊り曲は名古屋市の日本舞踊西川流四世家元・西川千雅さんが歌詞と振り付けを考案し、三味線アーティスト・たなかつとむさんが作曲した。昨年10月以降、陸前高田市の日本舞踊関係者らとの意見交換会を経て制作され、歌は同市の歌手・雪音さんが担当した。
 曲は約4分30秒。曲名の「いこまい」「あばっせ」は「一緒に行きましょう」の意味を指す互いの方言で、歌詞にも「陸前高田さ きてけらいん!」「ほうかね、やるかね」と名古屋弁、気仙弁を多用した。「十年(ととせ)を超えて どえらい未来」には、今年3月11日の震災発生10年を節目に、さらに友情を育んでいこうという決意を込めた。
 6月下旬には、陸前高田青年会議所主催のイベントで雪音さんが踊り曲の歌を市内初披露。当初、市民へのお披露目の場と想定していた「チャオチャオ陸前高田道中おどり」は、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となり、関係者が今後、普及を図っていく。
 名古屋市は震災後、陸前高田市の行政全般を「丸ごと支援」する独自の取り組みを展開し、これまでに延べ250人超の職員を派遣。両市教委は平成24年5月に絆協定、両市は26年10月に友好都市協定を締結した。
 令和2年度は、両市から市民交流団をそれぞれ派遣。この一環で芸術・文化分野の相互交流も行われ、今回の踊り曲が制作された。
 陸前高田市まちづくり推進課の佐々木真理課長補佐は「両市の絆を確かめ、深め合う曲で、名古屋市の継続的な支援、協力に大変感謝している。みんなで楽しく踊る曲として市民に親しまれていってほしい」と期待を込める。