吉浜と盛地区に新施設 3~5年度の介護サービス施設 整備・運営事業者が決定
令和3年8月7日付 1面

大船渡市は6日までに、令和3~5年度に計画している介護サービス施設整備・運営事業者を決定した。このうち、新設は4年度に着手する吉浜地区での小規模多機能型居宅介護施設に加え、5年度から盛地区で整備する認知症高齢者グループホームと、小規模多機能型居宅介護施設。このほかに、既存施設を利用した認知症高齢者グループホームと、改修による介護老人福祉施設の計画もあり、いずれも市内の社会福祉法人が担う。
地域ニーズに対応へ
3~5年度を期間とする市高齢者福祉計画・第8期介護保険事業計画に基づき、市は4月に開催した本年度第1回ささえあい長寿推進協議会で募集案を協議し、募集を開始。7月16日まで受け付けたところ、年度別の各施設整備計画に対して、それぞれ1法人から応募があった。
今月4日に第3回同協議会で選考結果を協議し、原案通り承認。6日までに、各事業者に決定通知が出された。
市によると、本年度整備分の認知症高齢者グループホームは典人会が担い、廃止した大船渡町のグループホーム「ひまわり」の建物を改修。定員は9人となる。地域住民からは、認知症の高齢者が安心して生活できる施設整備を望む声が寄せられていたという。
4年度整備分のうち、市内全域を対象とする介護老人福祉施設は成仁会が整備。猪川町の特別養護老人ホーム富美岡荘を改修し、9床を増床する。多床室の老人ホームはユニット型よりも料金が安く、低所得者も安心して利用でき、早期の入所要望があった。
吉浜地区での小規模多機能型居宅介護施設は、典人会が新設する。同地区には介護施設がなく、地域住民から設置を求める声が根強くあった。
整備場所は、扇洞地内で吉浜小旧校舎跡地。登録定員は25人で、泊まり定員は9人の計画となっている。地域との連携では「集いや活動の場を提供して、地域共生社会に寄与する」などとしている。
5年度の認知症高齢者グループホームと小規模多機能型居宅介護施設は、成仁会に決定。盛町木町地内の大内産婦人科跡地に、新設を計画している。
町内でも北側に位置し、隣接する猪川町や立根町にはグループホームなどがないことから、地域要望が出ていた。グループホームの定員は9人。小規模多機能型居宅介護施設の登録定員は25人で、泊まり定員は9人とする。
いずれも介護環境の充実を求める住民らの要望に対応した形。介護人材不足が懸念される中で、全計画に応募があり、各地域からは安堵(あんど)の声も聞かれる。
人員体制については、両法人とも施設基準に沿って職員を配置するとしているほか「整備地区の方々に声がけをして、さまざまな経験を有する幅広い人材を確保」(典人会)「職員定着対策のため、資格取得に関する勉強会や費用援助などを実施する」(成仁会)などを掲げる。
施設整備の募集内容、応募結果は別掲。
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大船渡市は、ささえあい長寿推進協議会の会長を務めていた市社会福祉協議会常務理事の金野敏夫氏が6月末で辞任したことから、7月から同常務理事となった熊澤正彦氏を新委員に委嘱した。
今月4日に開かれた第3回協議会で役員選出が行われ、新会長には副会長を務めてきた新沼幸夫氏(市民生児童委員協議会盛地区会長)が就き、後任の副会長には熊澤氏が選ばれた。任期は令和6年3月末まで。