海上七夕船「大船渡丸」 湾内を彩る光 華々しく復活 三陸・大船渡夏まつり(別写真あり)

▲ きらびやかな光で訪れた人々を魅了した海上七夕船の「大船渡丸」

 大船渡市の夏を代表するイベント「三陸・大船渡夏まつり」は6、7の両日、大船渡町の茶屋前岸壁前などで行われた。新型コロナウイルスの影響で昨年は中止となったため、2年ぶりの開催。まつりの〝顔〟となる海上七夕船「大船渡丸」は、改修事業後では初となる電飾が施され、夜の大船渡湾内を美しく彩った。まつり関係者や詰めかけた市民らは、新型ウイルスの早期影響収束や地域再興への思いを込めていた。

 

規模縮小も活気 感染防止図り2年ぶり開催


 夏まつりは、市内の行政、事業所、警察、消防、各種団体の関係者らで構成する実行委員会(齊藤俊明委員長)が主催。東日本大震災が発生した平成23年は中止されたが、24年に再開後は復興の歩みを発信する役割も果たしてきた。
 昨年は新型ウイルスの影響収束が見通せないとして、やむなく中止を決断。今年は、感染防止を最優先とし、規模を縮小しながらも地域に活気を生み出そうと、6、7の両日は海上七夕船による湾内巡航を、7日は8000発を打ち上げる花火大会を企画した。
 6日は午後6時に、「大船渡丸」がこれまでの市民道中踊りなどでおなじみの『大船渡音頭』などを響かせながら、茶屋前岸壁を出港。竿灯を取り付けた漁船など17隻とともに、湾内巡航を行った。
 暗闇に包まれた中での着岸時はとくに、電飾の華やかさが際立ち、付近に訪れた約500人の市民らを魅了。見物に訪れた大船渡一中1年の後藤遥海さんと鈴木友唯さんは「こんなに近くで見たのは初めて。興奮した」と話していた。
 全長38㍍、幅10・5㍍、高さ26・4㍍の「大船渡丸」は、青森県内にあった砂利運搬船を七夕船として改造。平成19年に、イルミネーションの装飾が初披露された。
 以降、夏まつりでは、光の演出で彩る中心的な役割を担ってきた。10年前の東日本大震災時は、いったん流された後に戻った〝奇跡の船〟としても知られる。
 一方、近年は腐食が進んでいたほか、長年同船の電飾などを担ってきた大船渡・海を愛する会を担うメンバーの高齢化で、開催前の作業負担が課題に。このため、所有する大船渡商工会議所は日本財団や市の助成を受け、昨年秋から今年冬にかけて工事を行い、鉄骨による柱を組んだ上にパイプトラス方式でアーチ状の屋根を架けた。
 装い新たな船体は、復活を示すきらびやかな光を放ち、感動を呼び込んだ。齊藤委員長は「今年は、すごいイルミネーションになった。新型ウイルスの影響で、みんなが不自由な生活を送っている。そういった停滞ムードの中でも、面白さや楽しさ、喜びがあることで、人を元気づけることができる。多くの人々にとって、あすへの活力となれば」と期待を込め、船体を見上げた。
 7日は、感染防止の観点から、観覧会場となる茶屋前岸壁の入場は、県内在住のチケット購入者に限定。一昨年まで実施していた市民道中踊りや茶屋前岸壁付近での余興・演奏などは行われず、飲食の制限も講じられたが、訪れた人々は、夜空を焦がす花火と海上七夕船の競演などに酔いしれた。