2年ぶり〝光の競演〟 三陸・大船渡夏まつり 8000発の花火で魅了(別写真あり)

▲ 花火が夜空と海上を彩る中で海上七夕船が湾内巡航

 「三陸・大船渡夏まつり」の花火大会(同実行委主催)は7日夜、大船渡湾内で行われた。大船渡・海を愛する会(齊藤俊明会長)による海上七夕船が湾内を巡航する中、約8000発の大輪が夜空や海上を彩り、2年ぶりに〝光の競演〟が実現。市民や県内から訪れた観光客は、美しさに酔いしれながら新型コロナウイルスの早期影響収束などへの願いを込めた。
 まつり2日目は、大船渡町・茶屋前岸壁特設ステージでの開催式に続き、海上七夕船「大船渡丸」をはじめ18隻が出港。暗闇に包まれた午後7時30分から、1時間にわたり花火が次々と打ち上げられた。
 湾内の台船2隻から大輪を描いただけでなく、疫病を退散させるとの言い伝えがある妖怪アマビエの花火も〝登場〟。湾内巡航船と重なるように、海上で半円状に開く水中花火でも魅了した。実行委によると、まつり全体では規模を縮小したが、花火大会は例年よりも充実を図ったという。
 同日は感染防止の観点から、観覧会場となる茶屋前岸壁やみなと公園の入場は、県内在住のチケット購入者に限定。間近でさまざまな光が彩る大船渡ならではの花火を間近で堪能し「きれい」「大きい」といった声が相次いだ。
 新型ウイルスの影響が続く中、開催運営に尽力した関係者をたたえる拍手も。降雨に見舞われる時間帯もあったが、比較的風があり、煙が流れたことから〝見ごろ〟が長く続き、2年ぶりとなった夏まつりのフィナーレを色鮮やかに飾った。
 一関市から家族で訪れ、エリア指定席内で観賞した長谷部克さん(38)は「あまり混んでおらず、ゆったりと楽しめた。夏の思い出をつくることができた」と笑顔。息子の玄君(5)は「いろんな色の花火が上がって楽しかった」と話していた。
 岸壁のエリア指定席に加え、市観光物産協会が管理・運営した、おおふなぽーと屋上の観覧席も好評。夢海公園や、キャッセン大船渡から大輪を見上げる浴衣姿の来場者も見られた。
 例年の岸壁周辺は、すれ違いざまに肩が触れるほどの混雑となるが、路上の人出は終始落ち着いた状況で推移。一方で、対岸の赤崎町内で眺める姿が多く、花火大会終了後は主要地方道が渋滞になる時間帯もあった。