伝統つなぐ応援に感謝状 けんか七夕連合会 スーパーカスミ(茨城)に贈る

▲ 毎年運営に協力してきたカスミに感謝状を贈呈

 新型コロナウイルス感染症の影響で2年連続で中止となった陸前高田市気仙町今泉地区の「けんか七夕」。7日の代替行事の中で、東日本大震災後、毎年祭りの運営に協力してきた茨城県つくば市のスーパー、㈱カスミ(山本慎一郎代表取締役社長)に対し、地元からの感謝状贈呈があり、住民たちが同社の継続的な支援に感謝した。

 

「恩返しを」の思い形に

 

 同祭り保存連合会(佐々木冨寿夫会長)が震災から10年の節目に合わせ、同社に対する思いを形にしようと、気仙杉を使った木製の感謝状を用意した。
 贈呈式は、山車を展示した今泉地区コミュニティセンターで行われ、佐々木会長(68)が同社ビジネス変革本部の小島雅弘担当マネジャー(60)に感謝状を手渡した。
 けんか七夕は約900年の歴史を持つ。震災の津波で壊滅的な被害を受け、山車4基のうち3基を失った中で、「今泉が誇る伝統行事を途絶えさせまい」と住民らが力を合わせて続けてきた。
 同社は、同連合会に山車制作費として支援金を寄付したほか、最大約200人の新入社員がボランティアとして毎年駆けつけ、運営に協力した。
 小島マネジャーは「震災10年の重みを感じる感謝状だ。祭り関係者と築いた絆を大事にしたい。来年以降も何かしら陸前高田と関わっていければいい」と喜んだ。
 佐々木会長は「カスミの皆さんに毎年お世話になってきた中、何もお返しすることができていなかった。われわれの思いが届けばうれしい」と願う。
 同社は平成24年から、陸前高田市の子どもたちを支援しようと、復興支援カレンダー「明日暦(あしたごよみ)」を作成し、益金を同市に寄付してきた。15日(日)まで、アバッセたかたパブリックスペースで、最終の令和3年版カレンダーまでの軌跡を伝える写真展を開催している。時間は各日午前9時〜午後7時(最終日のみ同4時まで)。