新型コロナウイルス/県独自の「緊急事態宣言」 不要不急の外出自粛を 県内での感染拡大受け

 県は12日、盛岡市で第37回新型コロナウイルス感染症対策本部員会議を開き、独自の「緊急事態宣言」を発令した。県内全域で新型ウイルスの感染が拡大し、同日現在における直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数が過去最多の「16・5人」と指標の15人を超えたことなどによるもの。全県を対象に、県民に不要不急の外出自粛、都道府県をまたぐ不要不急の帰省・旅行の原則中止・延期などを求め、感染拡大防止への協力を呼びかけている。
 県独自の緊急事態宣言発令は、今回が初めて。期間は12日から、直近1週間の新規感染者数が10人未満になるまで。
 宣言は、①県民の皆様へのお願い②事業所・飲食店・学校へのお願い③医療機関へのお願い④思いやりの気持ちと冷静な行動のお願い⑤県の対策──からなる。
 このうち、①では「外出の自粛等」と「基本的な感染対策の徹底」を要請。具体的には、▽不要不急の外出自粛▽都道府県をまたぐ不要不急の帰省・旅行の原則中止・延期▽手洗いや常時マスク、せきエチケットの励行▽ワクチン接種後もマスクを着用▽近距離での会話や大声での発生等を避ける──など。
 外出のうち、▽必要な職場への出勤▽通学▽通院▽介護▽食料や医療費、生活必需品の買い出し▽屋外での運動や散歩▽就職活動▽その他(生活維持のために必要なもの)──は不要不急の対象外。同居家族以外との会食、法事、墓参り、同級会、同窓会、出張先や研修先での会食も中止・延期するよう求めた。
 ②のうち、事業所には職場内の感染対策徹底などを呼びかける。宿泊施設・飲食店・歓楽街の店舗には時短営業などは求めず、自己点検と業種別ガイドラインの順守徹底、「いわて飲食店安心認証」の取得などを要請。事業者には、地域企業経営支援金の支給額引き上げなどの支援策も図る。
 県立学校では、夏季休業中の部活動は原則休止とする。市町村立や私立の小中高校には、県立学校の取り組みに応じた対応を求める。県営施設のうち、陸前高田市の東日本大震災津波伝承館は、13日から宣言期間中は臨時休館とする。
 ⑤のうち、飲食店安心認証店を対象とした「いわての食応援プロジェクト」(GoToEatキャンペーン第2弾)は、食事券の販売を14日(土)までに停止する。購入済み食事券は、感染対策を徹底のうえ対象店舗で利用できる。
 県民向けの「いわて旅応援プロジェクト」は、新規予約を13日午前0時に、予約済みの宿泊と日帰り旅行の割引を15日(日)にそれぞれ停止し、再開はしない。発行済みクーポンは同日まで利用可能。18日(水)までに予約者が行ったキャンセル料金は、県が負担する。
 会議後、達増拓也知事は臨時記者会見を行い、「全国での感染拡大の勢いが止まっておらず、県内でもかつてないほどの感染リスクが高まっている。自分を、家族や親戚、友人など大切な人を守るため、県民、来県者の協力をお願いする」と述べ、「できるだけ早く、直近1週間の新規感染者数が10人未満に達成するよう協力を」と、改めて感染対策の徹底を呼びかけた。
 県内における8月(12日時点)の新規感染者発生状況は別表。