東京五輪卓球 伊藤美誠選手の活躍喜ぶ 陸前高田の競技関係者 震災後2度訪問の縁「今も励み」

▲ 伊藤選手との交流時に撮った写真を見ながら、東京五輪での活躍を喜び合う(右から)千葉前会長、大和田会長、村上さん

平成27年に陸前高田市で練習を公開した当時15歳の伊藤選手

 日本のメダルラッシュに沸き、8日に閉幕した東京五輪の卓球競技混合ダブルスで金、女子団体で銀、女子シングルスで銅と出場全種目でメダルを手にした伊藤美誠選手(スターツ所属)の活躍を、陸前高田市卓球協会(大和田剛史会長)関係者も喜んでいる。伊藤選手は東日本大震災後に同市を2度訪れており、関係者は交流した縁を今も励みにする。「感動した」「卓球がまた盛り上がる」と、20歳のエースに賛辞を贈っている。

 

感動をありがとう

 

 伊藤選手は、水谷隼選手と組んだ混合ダブルスで、卓球王国・中国のペアを決勝で破り、日本卓球界初の金メダルに輝いた。女子シングルスでは銅メダルと同種目日本勢初の表彰台に上り、女子団体では2大会ぶりの銀メダルを獲得した。
 同市と伊藤選手とのつながりは震災後、物心両面の支援を続けた日本卓球㈱の仲介で生まれた。初めて訪れたのは、震災から約7カ月後の平成23年10月。津波で練習環境を失った中、市卓球協会の有志らが米崎町内に新設した復興米崎卓球会館で地元選手らと交流した。
 27年12月に再訪し、旧米崎中体育館で公開練習を行い、市内外の小中学生約50人が見学した。翌年リオ五輪を控えていた時期で、同協会は地元の子どもたちが応援メッセージを寄せ書きした日本国旗をプレゼントした。
 同協会前会長の千葉健さん(73)は、交流時に撮った写真を大切に保管している。「東京五輪は妻と一緒にテレビの前で大応援した。混合ダブルスは中国に勝ちたいという気迫がテレビ越しにも伝わり、心から感動した。これからも応援していく」とたたえる。
 高田クラブの吉田広平さん(33)=米崎町=と、村上奨記さん(24)=矢作町=は、6年前の公開練習で練習パートナーを務めた。2人とも高校時代などに全国大会を経験した名プレーヤーだが、当時15歳ながら世界を目指すレベルの高さに驚かされたという。
 吉田さんは「小さい体で自分のボールを難なく打ち返してきた」、村上さんは「とにかくボールの変化がすごかったのが印象に残る」と振り返る。
 公開練習の晩、伊藤選手は吉田さんの家族が経営する「民宿吉田」に宿泊した。吉田さんは「一緒に練習し、とても貴重な経験となった。民宿にも泊まってもらい記念に残る」と喜ぶ。
 村上さんは「卓球人は、今回の日本の活躍を心から喜んでいる。これから卓球がまた盛り上がっていくと思う」と期待する。
 大和田会長(66)は「陸前高田にとって縁のある人がオリンピックという最も大きな舞台で活躍し、本当にうれしい。伊藤選手や日本の活躍を刺激にかえ、陸前高田でも若い世代を中心に卓球を盛り上げていってほしい」と願う。