公共施設休館の対応も 県独自の緊急事態宣言受け 気仙3市町

▲ 大船渡市役所には県独自の緊急事態宣言を示す看板を設置。電光掲示板でも警戒を呼びかけた

 県内でも新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、12日に県が出した独自の緊急事態宣言を受け、気仙3市町も公共施設供用のあり方などについて対応を検討し、休館措置も広がっている。住民に対しては、基本的な感染予防対策の徹底や不要不急の移動自粛などを改めて呼びかけていく。

 

大船渡市

 

 大船渡市新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・戸田公明市長)は13日、今後の対応を協議し、スポーツ施設の休館に加え、独自展開する宿泊観光回復事業の新規予約受け付けの停止などを決めた。
 協議は非公開で行われた。終了後、市は今後の対応状況を発表。市民体育館などのスポーツ施設や学校体育館・校庭、市内各地区公民館は16日(月)から休館。市民体育館などを会場とするワクチン接種は、閉館措置中も予定通り実施する。
 博物館とおおふなぽーとは、14日から休館。綾里地区コミュニティ施設・綾姫ホールと吉浜地区拠点センターは、準備が整い次第、集会施設部分を休止する。
 市内各地の放課後児童クラブや碁石海岸レストハウス、フレアイランド尾崎岬などは通常通り。道の駅さんりくは午前9時~午後5時の時間短縮営業となる。市民文化会館や図書館は、利用制限を行ったうえで開館する。
 市主催のイベントは原則、中止か延期とする。市宿泊観光回復事業「大船渡に泊まってHappy!大作戦Part2」は、13日までの予約受付分は従来通り適用したうえで利用可能。割引を適用した予約受付は、14日から停止する。
 部活動は、市内全校とも18日(水)まで原則中止。ただし、全国大会に出場する部のみ、県方針に準じて活動を認める。2学期の教育活動は感染防止対策を徹底したうえで通常通り実施。部活動における練習試合は、8月末まで実施しない。
 市役所などには独自の看板を置き、感染防止策の徹底を強調。不要不急の外出自粛や基本的な感染対策の徹底遵守に加え、これまで以上に慎重な行動を求める。さらに「やむを得ない事情等で帰省された人も多くいる。予防を徹底しつつ、相手を思いやる気持ちを持ち、冷静に行動を」と呼びかける。

 

陸前高田市

 

 陸前高田市は、宣言発令後の12日夕、臨時の市コロナ感染症対策本部会議を開き、公共施設の開閉館など対応を協議した。竹駒町の休養施設「霊泉・玉乃湯」は今月末まで休館し、高田松原津波復興祈念公園は13日から宣言解除となるまで利用を休止する。
 市内の観光施設やコミュニティー施設は、一部で滞在時間や開館時間の短縮措置をとる。スポーツ施設は宣言解除までの間、基本的に県内居住者のみ利用できる。
 復興祈念公園のうち、国営追悼・祈念施設や東日本大震災津波伝承館の利用を休止するが、道の駅「高田松原」は、閉店時間を午後6時から同4時に変更して営業する。市立図書館は平日の開館時間を1時間縮め、平日・土日祝日いずれも午前9時~午後7時とする。
 夏休み中の部活動やスポ少活動は、県の方針に準じて原則休止に。休み明けについては近隣市町と足並みをそろえた対応をとる考えで、市教委が検討している。
 対策本部長の戸羽太市長は、市民向けメッセージを市ホームページで発表。都道府県をまたぐ不要不急の帰省や旅行等は中止、または延期を含め慎重に判断するよう呼びかけている。

 

住田町

 

 住田町では「県内発生」「隣接市発生(大船渡、陸前高田、釜石、遠野、奥州、一関)」「町内発生」の段階ごとに対応を定めており、今回は「隣接市発生」に基づいた動きをとることとしている。
 役場町民ホールや保健福祉センター、農林会館などは利用者数を定員の50%以下として開館。中央公民館図書室や各地区公民館は、気仙管内で感染者が確認されているため、利用は町民と町内勤務・通学者に限る。
 社会体育施設、学校体育施設、地区公民館体育館は、感染症対策を講じたうえで、クラスター発生市町村を除く県内の団体・個人、町内への通勤通学者が利用可能。
 小中学校は登校だが、児童生徒によっては個別に対応。保育園は開園し、放課後子ども教室と学童クラブは実施を基本として個別対応とする。
 このほか、防災行政無線で、町民に対して基本的な感染予防の徹底、感染拡大地域との往来自粛などを呼びかけている。