自慢の産品 発信の場に 29日に「イーガストすみた」プレオープン ㈲ありす畜産が世田米地内に整備 

▲ 29日にオープンする「イーガストすみた」

 住田町の㈲ありす畜産(水野雄幸代表取締役)が同町世田米赤畑地内の国道107号沿いに整備を進めていた特産品販売センター「イーガストすみた」は、29日(日)にプレオープンする。町内の特産品や農産物などを販売する施設で、住田の〝発信拠点〟としての役割に期待がかかる。

 

 特産品販売センターは、町観光協会が平成28年度、29年度にかけて計15回開催した「観光プラットフォーム」の中で整備の機運が高まった。
 同プラットフォームでは、町内の団体や企業、住民らによるワークショップで「交通量の多い世田米の国道107号沿いに、住田の魅力や情報のワンストップ拠点となるような場が必要」との意見がまとまり、ニーズ調査も実施。調査は町内外の213人を対象に行い、97%が「そうした施設がほしい」と回答した。
 30年度からは、プラットフォーム参加メンバーの中からコアメンバーを選出し、月に1回程度、町と検討を進めてきた。
同年度から令和2年度にかけて、構想を絞り込んで事業計画などを検討する中で、町から「ノウハウのある民間主導で進めてみてはどうか」との助言があったほか、メンバー内では「行政主導では進みが遅く制約も多い。まずは民間主導で実践を」との考えでまとまり、コアメンバーの一員だった㈲ありす畜産が、JAおおふなとから旧ふれあいセンター施設を取得して改装を進めてきた。
 その後、コアメンバーのうち数人で施設コンセプトや店名、店内レイアウトなどを検討。「町の物産を、町民の手の届きやすいところにそろえて販売したい」「住田の農家・生産者を守りたい」「地域ビジネスマンを育てる場に」「安全安心な食材で地域の健康を支えたい」といった経営コンセプトも定め、施設名は、気仙弁で「いいじゃないの」を意味する「いいがすと」から命名。住田やその関係地域の〝いいもの〟を集めて販売することで、多くの人から「いいね」を獲得したいという思いを込めた。
 敷地面積は2525平方㍍で、駐車場は40台分を予定。施設の延床面積は670平方㍍、うち店舗面積は133平方㍍。
 世田米川口地内にあるありす畜産の直売所機能は新たな施設に移し、同社の精肉や豚肉加工品、総菜に加え、鶏ハラミなどの町特産品、町内・周辺地域の農産物、町内事業所の菓子類、県内の土産品などを販売。施設内には観光情報コーナーやベビーケアコーナー、貸事務所や貸会議室も設けており、貸事務所はイーガストに関わる起業者らに貸し出すなど、地域における起業支援も構想に盛り込まれている。
 住田観光開発㈱や町内の直売組合、町観光協会、菓子店など計8事業所が参画して、各種特産品、農産物を提供。酪農業者などの参画も視野に入れている。関係者は「この場所を核としながら地域を元気にしたい」と意気込む。
 水野代表取締役(70)は「住田の人に、『この店があってよかった』と思ってもらえれば。町外の人が来た時にイーガストへ案内するような、そんな場所にしたい。ここをベースにした特産品もできあがれば」と話している。
 営業時間は午前10時から午後7時。初日は、先着200人にエコバッグを贈る。新型コロナウイルスの感染対策のため、入場を制限する場合もある。