地域課題解決に向け、気仙3市町と広域連合が大船渡で対県要望活動

▲ 森局長㊨に要望書を手渡す神田謙一住田町長

 気仙3市町と気仙広域連合による対県要望は23日、大船渡市盛町のシーパル大船渡で行われた。各首長らは、地域公共交通の充実や医療体制の強化、主要幹線道路の整備促進、新型コロナウイルス対策、広域観光推進などを県に要望。長年にわたる各地域課題の解決に向け、より一層の配慮と協力を求めた。
 この日の要望活動は、住田町、陸前高田市、気仙広域連合、大船渡市の順におよそ1時間ずつ実施。各市町の首長や担当部課長、議会議員らが臨んだ。県側は沿岸広域振興局の森達也局長や大久保義人副局長、大船渡地区の地域振興、保健福祉環境、土木など各センター所長、関係職員が対応した。
 要望項目は住田町が12件、陸前高田市が18件、広域連合が12件、大船渡市が14件。
 このうち、住田町は県立大船渡病院附属住田地域診療センターの医療体制の充実と連携強化、県道や国道の整備促進、県立住田高校の魅力向上などを要望。神田謙一町長が森局長に要望書を手渡し、重要項目を中心に意見交換を行った。
 要望のうち、重要項目に位置付ける「住田地域診療センターの医療体制の充実と連携強化」では、医師3人体制の確保や保健・医療・介護連携体制構築のための連携強化、訪問診察の再開などを求めた。
 県側は医師確保について、「これまでも関係大学に派遣を要請しているが、派遣元である大学でも医師の絶対数が不足している厳しい状況が続いている。気仙保健医療圏内の他の県立病院から応援いただいて診療体制維持に取り組んでいるところであり、引き続き他の病院からの応援で診療体制充実に努めていく」としたうえ、「県としては関係大学への派遣要請、即戦力となる医師の招聘(しょうへい)活動、医師の計画的な配置などに積極的に取り組み、常勤医師の確保に取り組んでいく」などと説明。
 一方、「一般県道の整備および河川改修の促進」では、一般県道釜石住田線の未改良地区の河川との一体的な改修、世田米川口以北の気仙川の改修促進などを要望した。
 県側は「県道釜石住田線の中埣地区900㍍区間は本年度、現地測量、設計に着手する。そのほか、小松─中埣間2・7㌔のうち、事業着手の900㍍を除いた区間、土倉─大洞間の3・3㌔に関して、早期の整備は難しい状況だが、復興道路等のネットワーク完成後における道路事情の変化も見極めながら、どのような整備や改良が可能か総合的に判断していきたい」との見解を示した。
 森局長は「要望いただいたものは地域を支える基盤となるもので、どれが欠けても地域が成り立たないと考えている。広域振興局は、地域の市町村のニーズを本庁に伝えることが役割。さまざまな状況を教えていただきながら、取り組みを進めていきたい」との考えを述べた。