新型コロナウイルス/実質運用は8カ月間 地域外来・PCR検査センター 医療機関の体制充実受け休止

▲ 8カ月間にわたり検査対応を行ってきたPCR検査センター(昨年7月のリハーサル時の様子)

 気仙の各医療機関で新型コロナウイルスの検査体制が充実したことを受け、大船渡市が昨年8月から運用していた臨時診療所「地域外来・PCR検査センター」(発熱外来)が7月以降、休止していることが分かった。今年3月までの約8カ月間で計27件に対応し、いずれも不検出。市は当面、検査機能は維持する。
 発熱外来は、新型ウイルスに感染の疑いがあり、かかりつけ医などが検査の必要があると判断した場合にPCR検査を行う機関。市が設置主体となり、陸前高田市、住田町、気仙医師会、県立大船渡病院、大船渡保健所が協力し、場所は公表していない。
 大船渡市によると、昨年7月29日に設置し、8月5日から運用が本格化。今年6月まで、気仙医師会の医師らを当番として割り当てるなどして運用してきた。
 実質的な開設日数は17日で、8月は8件、9月と11月は6件、12月は2件、1月は1件、2月と3月は2件の検査を行い、すべて不検出。4月以降はゼロが続いていた。
 この間も気仙で感染確認事例があったが、各病院の対応に加え、県大船渡保健所による別会場での集団検査も行われた。開業医でも診療検査機関としての体制整備が進み、現在は気仙でも約半数の機関が対応。県内各地に設置された同様の発熱外来の多くで、現在は廃止・休止措置がとられている。
 市健康推進課の佐藤かおり課長は「各医療機関の体制が整うまでの〝つなぎ〟としては、欠かせない役割だった。住民の安心につながったととらえている」と話す。
 市は当面、施設の撤去・解体はせず、検査機能は維持することにしている。