『防災の日』備え新たに 気仙の小学校で避難訓練(別写真あり)

▲ 児童や地域住民が避難場所、経路を確認した訓練

 『防災の日』の1日、大船渡市日頃市町の日頃市小学校(菊池ゆかり校長、児童67人)と、陸前高田市横田町の横田小学校(菊地桂子校長、児童42人)では、児童らが参加して避難訓練を行い、災害時に命を守るための行動を確認し、備えを新たにした。


地域ぐるみで有事の行動確認
日頃市小

 

 日頃市小学校では、同町内で地域住民と合同での避難訓練を行った。
 同校では、台風などによる大雨・洪水警報が発令された際に、児童らが指示や避難路の状況に応じて速やかに避難できるようにと、平成29年に日頃市中学校の生徒と合同で避難訓練を実施。令和元年度で同中学校が閉校したことから、翌年度からは地域住民とともに訓練を行っている。
 同日は、大雨警報と土砂災害警戒情報が発令され、避難指示が出されたという想定で訓練。小学校の裏山が土砂災害特別警戒区域に指定されていることから、児童らはヘルメットをかぶり、一次避難場所である同中体育館に避難。人員確認の後、より安全な高台にある二次避難場所の㈱藤原製作所へと移動した。
 避難の道中では、同町の交通指導隊員や大船渡警察署員が児童らを誘導したほか、地域住民が児童らの最後尾について歩くなど、地域が一体となって有事の避難行動、対応を確認。二次避難場所に到着後は、児童を保護者へ引き渡す流れも確認した。
 菊池校長は「指示をよく聞き、静かに素早く避難できていたと思う。災害はいつ起こるか分からない。避難場所や歩いてきた道をしっかり覚え、災害発生時に役立ててほしい」と講評した。
 新沼櫂史君(6年)は「大雨の被害や土砂災害で亡くなる人のニュースを見て、災害の怖さを知った。これから、災害が起きたら、自分の命を守る行動を心がけたい」と話していた。

 

避難時に安全を確認しながら行動する児童

身を守る行動考え実践
横田小

 

 横田小学校は全校参加の避難訓練を行った。大地震発生を想定し、児童らが自分の身を守る行動について考えながら実践した。
 児童らは、事前学習で地震発生時に危険物となりうる校内の掲示物や置物について勉強。「落ちる」「倒れる」「動く」ものをチェックした。
 訓練時は、壁から落ちた時計や廊下に散乱した書類など、教員が各備品を移動させて地震発生時の状況を再現。緊急地震速報や、震度6弱と予想される地震の発生を告げる放送が流れたあと、各教室から出てきた児童らが、進路上に落ちているものや倒れそうなものに注意しながら校庭へと慎重に避難した。
 訓練後、菊地校長は「実際に地震が発生すれば慌ててしまう。登下校の道にどんな危険があるかも事前に考えながら、自分の命を守る行動をしてほしい」と呼びかけた。
 松田拓海君(5年)は「避難するときは、回りに倒れたり落ちたりするものがないか確認しながら歩いた。災害時は慌てず、冷静に行動できるようにしたい」と気を引き締めていた。