ますますの長生き誓う 県内最高齢者・鴨野さん 110歳の誕生日祝福 蔵ハウス大船渡(別写真あり)

▲ 110歳の誕生日を迎え、祝福を受ける県内最高齢者の鴨野さん

 大船渡市盛町の介護老人福祉施設「蔵ハウス大船渡」(小笠原登志江施設長)に入所する県内最高齢者の鴨野チヨノさん=同町出身=は4日、110歳の誕生日を迎えた。同施設で親族や入所者、職員らが祝福し、元気と笑顔あふれる鴨野さんのますますの長生きを願った。

 

 鴨野さんの長男で約10年前に亡くなった静男さんの妻・美枝子さん(78)=盛町=と孫の佐藤直子さん(50)=同=が施設を訪れ、入所者、職員ら約40人が集い、ともに祝った。
 施設を運営する社会福祉法人成仁会の山崎シゲ会長は「県内最高齢ということでこんなにおめでたいことはなく、われわれにとっても鼻が高い。(入所者の)皆さんも110歳を目指して頑張りましょう」と呼びかけた。
 鴨野さんはまんじゅう、あんこなどの甘い物が大好物。山崎会長から110個のまんじゅうがプレゼントされると、驚いた表情でうれしそうに手を合わせ、感謝した。山崎会長が「長生きのお手本として、ますます元気になってください」と言葉をかけると、うなずいて笑みを見せた。
 美枝子さんは「日頃、職員と入所者の皆さんにお世話になり、おかげさまで元気に過ごさせていただいている。ありがとうございます」と感謝。孫の佐藤さんも「皆さんから元気をもらって長生きできていると思う。これからもよろしくお願いします」とお礼した。
 鴨野さんは明治44年9月4日に盛町で6人きょうだいの三女として生まれた。太平洋戦争でビルマ(現・ミャンマー)に出兵した夫・静三さんを亡くし、同町の実家で稲作や畑など、農作業に励みながら一人息子の静男さんを女手一つで育てた。孫2人、ひ孫2人にも恵まれた。
 美枝子さんによると、鴨野さんはくよくよと悩まない性格で、若い時は旅行を楽しみにしていた。祭りなどにぎやかなことには心を躍らせる。この日も職員が権現舞で祝福し、権現頭を手渡された鴨野さんは「ガンガンニコニン ガガニコニン」とうれしそうに口ずさんだ。
 同施設には平成20年12月から入所。現在も自力で食事でき、文字も読める。自分のペースを大切にし、横になる時間よりも、起き上がっている時間が長く、上半身の体操など、体を動かしたり、歌を歌ったり、入所者同士の話を聞いたりして穏やかに過ごしている。