新型コロナウイルス/県外サンマイベント中止に 「東京タワー」「大船to大船渡」 感染状況など考慮

▲ 2年連続で中止となった三陸・大船渡東京タワーさんままつり(写真は一昨年の様子)

 大船渡に水揚げされたサンマなどを振る舞うイベントとして毎年秋に開催してきた「三陸・大船渡東京タワーさんままつり」「~岩手県復興支援産業祭り~大船to大船渡」は、今年の開催が中止となった。いずれも新型コロナウイルスの感染状況を踏まえた判断で、昨年に続き2年連続となる。
 大船渡市観光物産協会によると、東京タワーさんままつりは、施設を運営する㈱TOKYOTOWERの関係者と協議し「新型ウイルス感染拡大の影響で中止せざるを得ない」との報告があった。これを受け、実行委員会総会を書面決議で行い、中止が決定した。
 このイベントは、大船渡の知名度アップを図ろうと平成21年度にスタート。東京都港区に立つ日本屈指の観光名所を会場に、東日本大震災後も東京側の関係者による応援を受けて継続してきた。一昨年は、炭火焼きサンマ3333匹を先着順に無料配布するなどして活気を呼び込み、来場者は約1万1000人だった。
 一方、大船to大船渡は、主催する実行委員会から同協会に対してイベント中止の報告があった。
 この催しは、神奈川県鎌倉市大船地区で東日本大震災が発生した平成23年7月にスタート。大船と1字違いの地名を持つ市の復興を願い、同地区の若手経営者ら有志がボランティア活動として企画したもので、翌年からは9月に定着した。
 復興を支え続けようと「10年継続」を目標に回を重ね、気仙各地から事業所や飲食店などが出店。大船渡で水揚げされたサンマやホタテ、農産物などが人気を博し、一昨年は約5万人が来場した。
 昨年は〝ファイナル〟として行う予定だったが、中止を余儀なくされ、今年も断念。実行委では、大船to大船渡のイベントとしては終了し、違った角度から友好発展や地域活性化の後押しを探ることにしている。