気仙3市町の小学校 初形式での陸上記録会

▲ 男子800㍍走に挑む2市町の児童ら=高田小

陸前高田・住田は合同/10校の代表が競技で交流

 

チームカラーが光った各校の応援=高田小

 第1回陸前高田市・住田町小学校陸上記録会は16日、陸前高田市の高田小学校校庭で開かれた。両市町合同の記録会開催は今回が初めて。10校の代表選手らが各種目で自己ベスト更新を目指し、練習の成果を競った。
 記録会は、一昨年まで各市町で開催。児童数が減少している現状を踏まえて両市町合同での開催を決め、昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、今年は実施にこぎつけた。
 両市町の小学校関係者でつくる実行委が主催し、両市町教育委員会が共催。大会役員の教職員や陸上競技会員らが、新型ウイルスの感染防止対策を徹底して運営にあたった。
 会場には、陸前高田市の8校(高田、気仙、竹駒、横田、矢作、小友、広田、米崎)と、住田町の2校(世田米、有住)の代表選手、応援団の児童らが集合。入場制限を設けたうえ、児童の保護者らも来場した。
 開会式では、大会長の金野美惠子高田小校長によるあいさつのあと、選手代表の大和田幸弘君(小友6年)が「一緒に競技できることに感謝。力の限り走り、仲間と励まし合って競技する」と高らかに宣誓した。
 その後、男女別の▽100㍍走▽800㍍走▽4×100㍍オープンリレー▽ジャベリックボール投げ▽走り高跳び──の各種目を展開。選手は基本5、6年生だが、児童数などの事情で一部の学校は4年生以下の選手も出場した。
 各校のユニホームを身につけ出場した選手らは、日ごろの練習の成果を本番にぶつけて全力を発揮。自己ベストを狙ったほか、他校の選手と順位を競い合い、熱戦を繰り広げた。
 また、トラックの周りでは、各校の応援団が選手らに向けてエール。声を出しての応援が制限された中、選手の名前を書いたボードを掲げたり、郷土芸能で使う小道具を使うなど、学校ごとに個性が光った。
 男子100㍍走で自己ベストを更新した村上響君(気仙6年)は「出場できるチャンスが2回しかない記録会に、こうして出ることができて良かった。住田町の小学校と合同で競技もできて楽しい」と笑顔で話した。
 同じく男子100㍍走に挑んだ紺野泰聖君(世田米6年)も「走る環境がいつもと違った中で、4組目の1位になれた。たくさんの人たちと交流し、応援してもらえて良かった」と心にとめた様子だった。

大船渡は各校分散開催/「同じ場で競うつもりで」

 

応援団からの声援を受けて跳躍=大船渡北小

 大船渡市では16日、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、小学校陸上競技記録会(市小学校体育連盟主催)が初めて各校分散開催の形式で開かれた。練習成果発揮の場と感染・密集対策を両立し、選手は他校の児童と同じ場所で競うつもりで力を出し切り、競技できる場がある喜びをかみしめた。
 新型ウイルスの影響で昨年度は中止。同連盟は本年度、対象を従来の4〜6年生から5、6年に変更し、競技数も32種目から22種目に減らすなどの時短・縮小策を検討し、通常に近い形での開催を目指してきた。しかし、8月の県独自の緊急事態宣言発令に伴い、市が一時、例年の会場だった三陸町綾里の市三陸総合運動公園を含むスポーツ施設の休館・休園を決めたことを受け、分散開催に見直した。
 同日は10校の校庭で原則無観客で実施。競技に先立ち、各校で同連盟会長の熊谷賢綾里小校長からの「今この時間、他の学校でも同様に競技が始まろうとしていることを想像してください。自分の隣に他校の選手がいると思って自分の記録を伸ばしてほしいと願っています」とのメッセージが読み上げられた。
 事前に選手登録した各校の5、6年生がユニホームを着用して出場。選手登録はリレーを除く個人種目は従来の1種目1校1人で、同連盟から各校を通じて記録証が授与される。各校の裁量でオープン参加も認められた。
 大船渡北小では走り幅跳び、同高跳び、ボール投げのフィールド競技のあと、800㍍、100㍍、リレーのトラック競技を実施。選手たちは応援団からの後押しを受けて各種目に挑み、好記録が出ると教職員らとともに喜びの表情を見せた。

仲間とともに自己ベスト更新を目指した=立根小

 立根小では、トラック、フィールド、リレーの順にプログラムが進められ、最後のリレーでは選手一人一人が声をかけ合いながら、それぞれの思いを乗せたバトンをつなぎ、記録会を締めくくった。今野碧美さん(6年)は開催に感謝し、「小学校最後の記録会で自己ベストを更新し、悔いなく終われて良かった」と話した。
 越喜来小では昨年度も「6年生のために活躍の場を設けたい」として、独自に代替大会を開催した。今年は5、6年生の力いっぱいの競技を下級生も見学した。100㍍に出場した川畑優香さん(6年)は「離れていても、他校の選手に負けない気持ちで全力を出し切り、ベストタイムで走れた」と喜んだ。
 綾里小ではコロナ禍のため、ペットボトルに石を入れて作った鳴り物で応援し合った。
 猪川小では学校の事情で22日(水)に開催する。