昨季上回る数量で推移 市魚市場へのサンマ水揚げ あす大型船4隻の見込み(別写真あり)
令和3年9月21日付 1面
大船渡市魚市場で20日、6日ぶりにサンマの水揚げがあった。地元大型船が北太平洋で操業、漁獲した9㌧で、今季累計は100㌧に近づき、昨年を上回るペースが続いている。22日(水)には地元大型船4隻が水揚げを予定しており、関係者は今後の豊漁に期待を込めていた。
20日に水揚げを行ったのは、同市の鎌田水産㈱(鎌田仁社長)が所有する199㌧の「第二十一 三笠丸」。16日までに漁獲した分を乗せ、19日午後に入港した。
すっきりとした青空が広がった中、水産加工業者だけでなく小売業者も多数詰め掛け、岸壁に並んだサンマを吟味。多くのフォークリフトやトラックが行き交った。
水揚げ作業を行う乗組員は息を合わせながら大きな網を動かし、漁船からサンマを次々と岸壁に移した。乗組員からは「昨年よりは多少量は多いし、型もよくなっている。今後どれだけ増えてくれるか」といった声が聞かれた。
入札の結果、タンク入り1㌔1500円~850円で取引された。先月上旬までは1匹120㌘以下で、中型~小型サイズが大半だったが、中旬以降は大型も入るようになったといい、平均単価は高止まりが続いている。
鎌田水産所有の大型船6隻は、先月17日に大船渡港を出港し、公海を中心に操業。大船渡市魚市場の初水揚げは同28日で、今季のサンマはすべて同社の大型船による漁獲分となっている。
9月の水揚げは、14日以来5度目。サンマ大型船は解禁以降、北海道での入港が中心で、本州は大船渡のみの状態。県水産技術センター水産情報配信システムなどによると、初水揚げからの大船渡の累計数量は20日で97㌧に達した。
昨年8、9月の水揚げ累計は約40㌧。その後は、10月10日に1日だけで100㌧を超えるなどまとまった数量が続き、12月上旬までで6200㌧の実績となったが、1~2万㌧で推移していた5、6年前の状況と比較すれば低水準に終わった。
同社の鎌田和昭会長は「水揚げのピークは、昨年より遅くなるかもしれない。いずれにせよ、陸(おか)で待つわれわれとすれば、水揚げは1カ月程度が勝負」と話す。
同社大型船のうち、4隻があす22日朝の入札に合わせて大船渡に入る予定。合計数量は48㌧の見込みで、今後のまとまった水揚げに期待が高まる。