グループホーム運営再開へ、「ひまわり」が10月1日から、典人会が認知症介護に対応

▲ 改装を進めているグループホーム「ひまわり」の前で運営再開へ意気込む新沼専務理事

 社会福祉法人典人会(内出幸美理事長)は平成27年12月以降、職員不足のため休止・廃止としていた大船渡市大船渡町のグループホーム「ひまわり」の運営を10月1日(金)から再開する。認知症を患った高齢者などの介護サービスを担い、本人や家族を支え、地域のニーズに応える。

 

 同ホームは平成8年12月、全国で8番目、県内では初のグループホームとして開所した。施設は鉄骨造の平屋建てで、面積は255平方㍍。同法人が運営する同町山馬越の介護老人福祉施設「ひまわり」や介護老人保健施設「気仙苑」などに隣接する。
 入所者と職員が施設脇に設けている畑での野菜栽培、料理、散歩などを共にし、朗らかに生活を楽しんでいたが、介護に従事する職員不足のため、平成27年12月から休止。長く休止が続いたため、昨年3月末で廃止を余儀なくされた。施設の建物は残し、職員の休憩所として使用していた。

 しかし、介護に困っている地域住民からは再開の要望があり、その後、新たに職員採用を進め、運営体制のめどがついたことから8月に再開を決定した。
 入所者の定員は9人で、認知症を患い、要介護認定で「要支援2」以上(「要介護1」〜「要介護5」を含む)の人が対象となる。職員は8人体制で、同法人が運営する陸前高田市高田町のグループホーム「氷上山」のスタッフだった髙橋りかさん(41)が施設長に就く。
 各入所者の9室のほか、食堂、浴室などを備える。
 現在は再開に向け、壁の塗り直しや、全面を畳敷きにする改装作業を職員らが自らの手で進めている。
 利用料は要支援・要介護認定や、所得額で決まる介護保険サービス利用時の自己負担割合によって異なる。
 今後は同ホームの隣に、新たにカフェレストランとアトリエを併設する計画で設計を進めており、子どもから高齢者までが気軽に立ち寄り、世代間交流もできる施設を目指す。
 26日(日)、27日(月)両日は、内覧会と介護相談会を午前10時から午後5時まで開く。申し込み不要で参加でき、その場で入所の申し込みもできるが、先着順ではなく、認知症の程度や現在の生活状況などを踏まえ、優先する入所者を決める。
 同法人の新沼康二専務理事は「1人暮らしが困難な方や介護に困っている方などに相談・利用してもらい、お年寄りも職員も生活を共にして良い影響を与え合い、入所者一人一人が家で過ごしているような温かい雰囲気をつくりたい」と話す。
 問い合わせは典人会(℡27・8605)の新沼専務理事へ。