開館2年で40万人突破 震災津波伝承館の来館者

▲ 開館から約2年で来館者数が累計40万人となった震災津波伝承館

 陸前高田市気仙町の東日本大震災津波伝承館の来館者数が23日までに、累計40万人に達した。新型コロナウイルス禍の影響で今月中旬まで1カ月余りの臨時休館を余儀なくされたが、感染症対策に万全を期したうえで、受け入れを再開した。一昨年9月の開館から約2年を迎えた中、震災の事実と教訓を伝える施設には多くの人が訪れている。

 祝日の23日は、県内外の観光客らが来館。都内に住む市倉克彦さん(44)は「津波の映像はテレビなどで何度も見てきたが、その被害の大きさを改めて学んだ。震災の教訓を忘れないためにも必要な施設だと思う」とうなずいた。
 同館は新型ウイルス感染拡大に伴い、県が独自に発令した緊急事態宣言を受け、8月13日から9月17日まで休館した。期間中には修学旅行や校外学習、観光ツアーなど195件計約6000人の団体利用予約があったが、すべてキャンセルとなった。
 再開後は多くの人が訪れ、同館によると18〜20日の3連休は、合計約2400人が来館。1日当たりの最多は19日の1110人で、土・日曜日、祝日の平均約750人を上回った。
 今月の団体予約は、県内小中学校14校を含む21団体約750人。10、11月は、さらに団体客が増えることが見込まれ、安全・安心の学びの場を提供するための感染症対策として、シアターエリアの入場定員を半分以下に減らしており、ベンチなどの小まめな消毒も欠かさず行っている。
 同館は高田松原津波復興祈念公園内にあり、震災の教訓伝承、発災から復興までの状況と支援への感謝発信を目的に県が整備。令和元年9月22日、隣に整備された道の駅「高田松原」、国営追悼・祈念施設の一部とともにオープンした。
 累計来館者数は、開館から約4カ月の2年1月に10万人を達成。同年8月に20万人、震災発生から10年を前にした今年3月7日に30万人と推移した。
 藤澤修副館長は「開館から2年で40万人を達成した。引き続き、感染症対策を徹底しながら震災津波の事実と教訓を伝えていく。皆さまの来館を心よりお待ちしている」と呼びかける。
 入館無料。開館時間は午前9時〜午後5時。問い合わせは、同館(℡47・4455)へ。