新型コロナウイルス/県内88日ぶりの感染ゼロ 気仙でも安堵の声 引き続き予防策徹底を

 県内では24日、新型コロナウイルスの新規感染者確認の発表がなかった。新規感染者がゼロとなったのは、6月28日以来88日ぶり。今月3日の発表分以来、ゼロが続いている気仙でも、ひとまずの安堵(あんど)の声が聞かれた。一方で国内や世界的な流行は依然として収束が見通せない状況にあり、引き続き手洗いやマスク着用など基本的な感染防止対策が必要だ。

 新型コロナウイルス感染症は、一昨年12月に中国の武漢市で初めて確認された。感染者には発熱や呼吸器症状がみられ、高齢者や基礎疾患のある人は重症化するリスクが高いといわれる。せきやくしゃみなどの飛沫(ひまつ)、接触が主な感染の要因とされ、世界保健機関(WHO)は世界の感染者数が10万人を超えた昨年3月にパンデミック(世界的大流行)を宣言した。
 国内では昨年1月に神奈川県で初の感染確認があった。国による緊急事態宣言発出などの措置やワクチン接種も進められているが、いまだ収束の兆しは見えない。厚生労働省のまとめでは今月23日現在で新規感染者の累計は全国で168万7422人。1万7375人が亡くなっている。
 本県では昨年7月に感染が初確認された。先月12日には県が独自の緊急事態宣言を出す目安としていた「直近1週間の人口10万人あたりの新規患者数が15人」を超え、県民に不要不急の移動自粛などを求める同宣言を発出。直近1週間の人口10万人あたりの新規患者数は同20日に25・9人とピークとなり、今月に入ってからは減少が続き、解除の基準としていた10人未満となった16日に解除した。
 気仙(大船渡保健所管内)は、昨年11月に初めて感染が確認され、23日までの新規感染者累計は県外在住の滞在者を含めて113人。今年に入って2月に大船渡市の学校、先月は陸前高田市の職場でクラスター(感染者集団)の発生が確認された。今月3日に1人の感染が発表されて以降は、ゼロが続く。
 国や県の緊急事態宣言も背景として、気仙も自粛ムードが長く続いており、飲食関連業をはじめとする経済的影響は大きい。その中で迎えた88日ぶりの新規感染者ゼロ。住民からは安堵とともに引き続き基本的な予防策を徹底したいという声が聞かれた。
 陸前高田市の40代会社員男性は「県の宣言解除からまだ日が浅い中で新規患者が1人もいないのは喜ばしいことだが、一日だけのゼロではまったく安心できない。早く収束してほしい」と出口が見える日を待ち望んでいた。
 15日以降の県内新規感染者数の推移は別表の通り。