新型コロナウイルス/社会体育館会場は終了 ワクチン集団接種 町民接種率は約9割に

▲ 25日で終了となった社会体育館での集団接種

 住田町は、世田米の町社会体育館を会場とした新型コロナウイルス感染症ワクチンの集団接種を25日で終了した。町民のワクチン2回接種完了が今月20日現在、全体で約90%におよんでおり、おおむね接種のめどが立ったことによる対応で、今後は30日(木)まで県立大船渡病院附属住田地域診療センターを会場に接種を進めることとし、10月以降の接種会場について調整している。
 同町でのワクチン接種は、クラスター発生防止のために高齢者施設の入所者と従事者を最優先し、5月10日から開始。同19日には同センターを会場に、65歳以上の一般高齢者へのワクチン接種を開始した。
 6月5日からの毎週土曜日には社会体育館も接種会場に追加。同体育館での接種人数は初回が200人規模だったが、その後は接種体制強化に伴い、600人規模にまで拡大。体育館では町民以外にも町内事業所勤務者などを受け入れながら接種を進めてきた。
 一般高齢者への接種に関して、多くの自治体では接種券が届いてから電話やインターネットで予約する方式だが、同町では無駄のないワクチン使用と接種者の効率的なバス送迎を行うため、あらかじめ町側で接種予定日を指定し、会場から遠い行政区から順に実施。
 12歳から64歳までは、対象者に接種券や返信用はがき、予診票などを送付し、対象者は返信用はがきで接種希望日を指定。町側ではそれを集計して基礎疾患のある人や高齢者施設などの従事者を優先したうえでそれぞれの接種日を決定する方式を取り、7月10日から順次接種が行われている。
 同町の接種対象者は65歳以上が2387人、12~64歳が2438人の計4825人。今月20日現在、2回接種済みは65歳以上が2259人で、接種率94・6%。12~64歳が2062人で、同84・6%。全体では4321人で、同89・6%に上る。
 年代別にみると、2回接種済みは70代95・5%、80代94・8%、60代94・0%、90代以上92・3%、50代88・0%、40代86・4%、30代83・9%、20代80・5%、10代64・7%と、いずれの年代も接種率が高い。
 町内では医療資源が限られている中、予診時には一般社団法人・未来かなえ機構(代表理事・滝田有気仙医師会長)が運用し、医療情報を一元管理している地域医療・介護連携ICT(情報通信技術)システム「未来かなえネット」を活用したり、体育館での接種時には副反応による体調不良者が出た場合に備えて大船渡消防署住田分署員が会場に待機するなど、関係機関の協力を受けて可能な限り効率的な接種に努めている。
 これまでに大きな混乱はなくスムーズに接種が進んできており、町保健福祉課の千葉英彦課長は「町民の皆さんの理解や協力をいただいて効率よく接種を進めることができた。接種のあとも引き続き基本的な感染対策は徹底してもらいたい」と話していた。