冬告げる味 今年も 酔仙酒造大船渡蔵 「雪っこ」を初出荷(別写真あり)
令和3年10月2日付 7面


県内外への出荷へ製造作業も進む
陸前高田市の酔仙酒造㈱(金野連代表取締役社長)は『日本酒の日』の1日、大船渡市猪川町の大船渡蔵から冬季限定商品の
「活性原酒雪っこ」を初出荷した。醸造安全祈願式や出荷式では、社員らが安全でおいしい酒造りと、冬を告げる雪っこをはじめとした商品が多くの消費者に愛されるよう願いを込めた。
同社では、東日本大震災が発生した平成23年を除き、日本酒造組合中央会と県酒造組合が普及推進する『日本酒の日』に合わせ、毎年10月1日に雪っこを初出荷している。今年もこの日に合わせて式を執り行い、社員約30人が出席した。
神事では、金野社長(61)と杜氏(とうじ)の金野泰明さん(45)が玉串を奉てんし、社員一丸となっておいしい酒ができるよう祈願。新酒の完成を知らせる新しい杉玉の掲揚も行った。
金野社長は「今年も10月1日に雪っこを販売でき、感謝している。新型コロナウイルスの影響で、酒類業界や買っていただいているホテル、飲食店は本当に苦しい思いをしている。雪っこの発売が、こうしたところに少しでも協力できればと思う。今後とも新型ウイルス予防へ配慮をお願いしたい」とあいさつした。
その後、雪っこを積み込んだトラックが出発。社員らは、拍手や手を振るなどして見送った。
雪っこは昭和45年に誕生した同社の主力商品で、昨年には発売50年の節目を迎えた。とろっとした口当たりと米の甘みが味わえるのが特徴で、51年目を迎えた今年の総出荷量は約13万㍑を見込む。
このうち、同日は瓶入りや缶入りなどで1万6000㍑を出荷。県内を中心に東北で販売されるもので、今後は随時関東へも届けるという。
金野社長は「今年は8月のお盆過ぎから準備に入り、何とか10月1日に出荷できた。雪っこは白い生のお酒。それゆえに10月から3月ぐらいまでの製造しかできないが、季節に合わせた飲み方で楽しんでほしい」と話していた。