防災学習用に電子看板 市がおおふなぽーとに設置 「総合案内」機能強化へ

▲ 防災学習アーカイブスの情報を確認できる電子看板

 大船渡市大船渡町の市防災観光交流センター(おおふなぽーと)1階に、市による防災学習ネットワークの一環で「デジタルサイネージ(電子看板)」が設置された。同施設は防災学習で訪れた人々に対する総合案内の役割を担っており、画面に触れると各町の津波記念碑などの情報が示される。市は今後、防災への関心・知識を深める流れの確立を見据え、さらに情報を充実させる。
 昨年12月に策定した防災学習ネットワーク形成基本計画は、津波災害や避難生活の伝承、既存施設の活用・連携などを基本理念とし、災害の教訓や避難生活、地域の備えなど、多面的な学びや伝承を促すもの。一昨年11月に設置された官民会議で協議が行われ、津波伝承や防災学習のあり方、防災学習構想などが検討された。
 具体的には、おおふなぽーとを中心とし、市内の津波伝承施設や遺構を生かす方針。市民や観光客が最初に訪れる場所として想定し、各施設に足を向けるきっかけとなることから、ネットワークを形成する各施設の紹介や道案内などの機能充実を目指している。
 電子看板は、総合案内機能強化の一環で設置。今月から運用が始まった赤崎町・漁村センター内の防災学習館整備に合わせ、国立大学法人東北大学災害科学国際研究所に委託し、コンテンツデータの作成を進めた。
 表示している「防災学習アーカイブス」では、東日本大震災からの復旧・復興の様子、震災遺構などを紹介。「地域から探す」に触れると、町別にまとめられた津波石碑の写真や説明が示され、石碑に記された津波災害の概要などが確認できる。今後も随時、紹介画面を追加していく予定で、教訓の発信や防災・減災につながる情報の充実を目指す。
 おおふなぽーとの開館時間中は、誰でも自由に操作可能。同じ機能や情報を入れた電子看板は、防災学習館にも設置した。同館は現在、事前予約制で見学を受け付けている。
 同館の利用申し込みは赤崎地区公民館(℡22・9833)へ。館内ガイドの相談にも応じる。