競技普及、交流の場に クライミングジムマカルー オープン1周年迎える

▲ 競技普及とにぎわい創出へ意欲を見せるマカルーの千田さん㊧と斉藤さん

 大船渡市盛町みどり町のボルダリングジム「ClimbingGym Makalu(マカルー)」は、オープンから1周年を迎えた。気仙出身で、高校時代からの友人である浦嶋雄昇さん(41)=同市大船渡町出身=と千田真一郎さん(40)=住田町世田米出身=の2人が、「地元ににぎわいを」と始めた事業。世界中を熱狂させた東京2020オリンピックのスポーツクライミング競技において日本勢がメダルを獲得したことで、世間の興味、関心も高まる中、新たな企画を打ち出しながら、さらなる競技人口拡大や地域の活気創出を狙う。

 

新たなイベント企画の動きも

 

 気仙地区初のボルダリングジムとして話題となった同店は、浦嶋さんが代表取締役を務める東京都の㈱マーシーの新規事業として、昨年9月にオープン。ボルダリングジムスタッフとしての経験が豊富な千田さんが、事業責任者兼店長として運営管理にあたる。
 約60坪の空き倉庫を改装したジム内には、さまざまな角度の傾斜が設けられた高さ4〜5㍍のボルダリングウォールが設置され、初心者用から初段以上までの多彩なコースを用意。千田さんがほぼ毎日ルートを追加していった結果、3〜400種類にまで増えた。
 新型コロナウイルスの感染拡大が続く状況下でのオープンだったが、気仙内外の愛好者らが登りに訪れ、現在は800人以上が利用登録。客層は小学校低、中学年と30代以上が多く、同店で本格的に競技を始めた児童たちがボルダリングの大会に出場したり、東京五輪で日本人選手が活躍している様子を見て、競技に興味を持って訪れた人もいたという。
 今年4月からは、宮城県加美町のクライミングジムでスタッフ経験のある斉藤洋平さん(34)=気仙沼市=が加わり、千田さんと2人体制での運営に。9月からは、難しいコースを登れない、コース攻略に停滞感を感じている人向けのイベント「ビギナーセッション」や、スタッフの手厚い指導を受けながら挑戦できる「未経験者限定ボルダリングデビュー応援企画」など新たな企画を次々に打ち出し、利用者をサポート。即戦力となるスタッフが加わったことによって、イベント開催の幅が格段に広がった。
 また、自分で壁を登ることだけでなく、居合わせた人のトライを見たり、登るコースの道筋をほかの人と議論することも、ボルダリングの醍醐味(だいごみ)。「同じ曜日、時間に登りに訪れる人たちがボルダリングを通じてつながり、そこで新たな交友関係が生まれる。年代関係なく交流できることも魅力の一つだと思う」と千田さんは語る。
 日々、新型ウイルスの感染対策を講じながら営業を続けているが、やはりその影響は大きく、コロナを理由に形にできていない企画もある。千田さんは「ボルダリングの面白さを伝えていくことが自分たちの役目。利用者それぞれの遊び方、楽しみ方で長く親しんでもらえるようにサポートしていければ。新型ウイルス収束後は、全国のクライマーを呼び込めるようなイベントも企画したい」と意欲を見せている。
 同店の利用料金は、一般が一日1700円、高校生同1500円、中学生以下同1200円(税別)。未経験者限定の「ボルダリングデビュー応援企画」は、会員登録、シューズとチョークのレンタル、スタッフのインストラクションに加え、1時間の利用時間が全てセットで1100円(税込)。火曜日限定で、完全予約制。
 営業時間は、平日午後2時〜10時、土、日曜日・祝日午前10時〜午後8時で、木曜日定休。
 問い合わせはマカルー(℡22・9977)へ。