身近な魅力に深みを 市観光物産協会  「名物ガイド」養成講座(別写真あり)

▲ 碁石海岸で行われた実地研修

 大船渡市観光物産協会(齊藤俊明会長)主催の「名物ガイド&観光サポーター養成講座」は7日、市内各地で実地研修が行われた。受講者が企画したツアーの一部を、他の参加者が観光客目線で楽しみ、定着やさらなる充実に向けたヒントを探った。
 観光は裾野が広く「総合産業」とも称される中、地域経済への波及効果も大きい。こうした中、人の魅力を生かした観光地づくりを目指すことで、滞在時間向上や観光客の満足度向上につなげていこうと、8月に開講。本年度のさんりく基金コミュニティ活動・人材育成事業の助成を生かしている。
 この日は3回目の講座で、10人余りが参加。受講生がガイド役を務める実地研修は▽おおふなとジオさんぽ碁石海岸編(末崎町)▽早春限定早採り体験ワカメのわ(三陸町越喜来)▽越喜来歩きツアー(同)──の3コースで行った。
 このうち、碁石海岸編では千田房代さん(53)=三陸町綾里=が案内。穴通磯を巡ったあと、乱曝谷や雷岩などを眺め、さらに博物館やえびす浜付近にも足を運んだ。
 穴通磯では、もともとは海の中にあった地層が隆起するなどして形成されていったことや、三つの穴ができたメカニズムはクイズ形式で紹介。湾口防波堤越しに広がる湾内で営まれるカキ養殖やおすすめの飲食店まで、幅広い角度から魅力を伝えた。
 また、乱曝谷付近の展望台では「地層の傾きを見ることができる場所は少ない」などと解説。地層の年代も紹介したほか、防災に関する情報、季節や時間によって異なる景観の特色にも言及。約90分の中で、訪れた場所への印象に深みをもたせる情報を分かりやすくまとめた。
 観光客側の目線で参加した受講者は、観光資源としての碁石海岸の可能性を再確認。訪れた先々での満足度だけでなく「ツアーを申し込む人に対して、事前にツアーの良さをどう伝えるか」といった視点でも、さらなる充実に向けたヒントを探った。
 講座は全5回の予定で、次回は11月に開催。他の受講者が考えた観光コースの実証などを計画している。