10年継続でツバキ植樹500本 資生堂協賛のプロジェクト 東朋中で〝有終の美〟飾る(別写真あり)
令和3年10月9日付 7面
大船渡市赤崎町の東朋中学校(村上亮校長、生徒111人)で8日、市によるツバキの植樹活動が行われた。東京都に本社を置く大手化粧品メーカー・㈱資生堂と資生堂ジャパン㈱が協賛し、平成24年度から続けてきた「椿の里プロジェクト」の一環。両社から苗木費用支援などを受け、植樹は活動開始から10年目を迎えた本年度、ちょうど500本に到達して〝有終の美〟を飾った。市関係者は感謝とともに、ツバキを生かしたまちづくり推進を誓った。
復興支援の一環
資生堂は東日本大震災後、被災地の復興支援活動を展開。商標を「花椿」とする縁で、平成24年度からは市花をツバキとする大船渡でも活動し、ツバキの産業化を後押ししている。
同社では、末崎町に伸びる「三面椿」の香気成分を配合した「リラクシングナイトミスト椿の夢」を販売しているほか、通信販売カタログでは大船渡の特産品注文も受け付け、それぞれ売り上げの一部を市に寄付。市は苗木を購入するなどして植樹を進めてきた。
事業が始まった24年9月、東朋中学校の前身校の一つである赤崎中学校の仮設校舎があったフレアイランド尾崎岬で、生徒と共同でツバキ41本を植樹。成長を続け、椿油の原料となる種も採取できる木も出てきたという。
本年度の植樹は、資生堂側から、事業の締めくくりとして綾里中との統合で生まれた東朋中への植樹希望があった。新型コロナウイルスの影響で資生堂関係者の来訪は実現しなかったが、市は本年度、支援を生かして樹高1㍍程度にまで成長したヤブツバキの苗木56本を確保。市農林課職員と大船渡ツバキ協会の関係者がグラウンド外側の斜面などに55本を植えた。
残る1本は、戸田公明市長、小松伸也教育長、村上校長、生徒会長の佐藤凜さん(3年)と佐藤千秋君(同)が記念植樹。式典で戸田市長は「東朋中の生徒とともに豊かに成長し、シンボル的な群生地となれば」とあいさつ。村上校長は「ご支援いただいたことを胸に刻み、発展していきたい」と述べた。
スコップを手にした5人は、息を合わせて根に土をかぶせ、成長への願いを込めた。記念撮影では、生徒会執行部の生徒らが「想いを込めて大切に育てます」「10年間のご支援ありがとうございます」などと記されたプラカードを掲げ、感謝の思いを発信した。
佐藤凜さんは「東朋中の歴史とともに大きく成長してほしい」、佐藤千秋君は「10年続いてきた事業なので、感謝の気持ちを込めて植えた」とそれぞれ話していた。






