夜空彩る希望の花 三陸花火競技大会
令和3年10月10日付 1面

三陸花火競技大会(同実行委主催)は9日夜、陸前高田市で開かれた。全国の花火師が腕を競う三陸沿岸としては初の大会。有料席が設けられた高田松原運動公園には県内外から観光客が訪れ、同市の夜空に咲く光の「大輪」に酔いしれた。(7面に関連記事)
打ち上げ時間は昨年10月のプレ大会よりも30分延ばし、約90分間のプログラムを組んだ。音楽と花火を融合させた「ミュージックスターマイン」が打ち上げられ、最大で幅約700㍍にもなるワイドな花火ショーが観覧客を魅了した。
競技部門には全国23社の若手花火師が出場。前後半に分かれて個人戦が行われ、終盤には団体戦も繰り広げられた。
打ち上げ前、運動公園では東京パラリンピック開会式で国歌独唱した全盲のシンガー・ソングライター、佐藤ひらりさん(20)によるオープニングライブも。佐藤さんは競技大会の審査員も務めた。
会場では三陸の食や特産品の魅力を発信する「さんりくフードビレッジ」が開かれ、約40店舗が出店。日中には気仙両市の団体が出演する郷土芸能ステージがあり、「eスポーツ」を楽しめる体験ブースも設けられた。
新型コロナウイルス禍の中での開催となり、実行委は感染症対策を徹底。人との距離を保って鑑賞できるよう有料席は野球場やサッカー場、多目的広場内に指定して設け、車に乗ったまま眺められるドライブイン席も用意した。
大会は、三陸沿岸の観光振興、交流人口拡大を図ろうと、陸前高田市内外の有志らが企画。昨年のプレ大会は1万発を超える花火を打ち上げ、実行委によると、会場の同運動公園には約1万1000人が来場した。