イサダ漁のかご 沖縄に漂着 大船渡の漁船名表記 東日本大震災で流出か
令和3年10月12日付 7面
沖縄県国頭郡本部町に広がる「具志堅の浜」で今月、大船渡から流れついたとみられるイサダ漁用のかごが見つかった。10年7カ月前の東日本大震災で、流出した可能性があるという。発見した住民は漁船関係者から処理を任されたが廃棄せず、浜の環境美化活動などに使うことにしている。
浜の美化活動などで使用へ
本部町は、沖縄本島の北西部に位置する。発見されたのは6日午前6時30分ごろ。近くに住む東直人さん(63)が地域住民らが「ハサ浜」と呼ぶビーチに漂着したごみの撤去や、ウミガメの様子を確認しようと浜に出向いたところ、プラスチック製で青色のかごを見つけた。
貝類が付着し、砂にまみれていたが「福吉丸 細浦」の表記があったため、東さんは大船渡市漁協や漁船関係者に連絡。沿岸小型船漁業でイサダ、イカ漁などを担う末崎町の「第六福吉丸」(滝田誠船長)が使用していたものと分かった。
震災直後、同船は沖合に避難したため無事だった。3月はイサダ漁の最盛期で、大船渡市魚市場に水揚げし、水産加工場などに出荷を終えた際の「空きかご」だったことが予想される。
具志堅の浜では震災以降、漁業用の網が流れ着くなど、被災地沿岸からの漂着がたびたびあった。ただ、本部町内にある「美(ちゅ)ら海水族館」で飼育され、世界最大の魚類としても知られるジンベエザメは、イサダをえさとしている。東さんは、かごを通じて、三陸沿岸の春を彩る漁に思いを巡らせた。
滝田さん(67)も「東さんとの電話でのやりとりの中で、ジンベエザメの飼育で三陸産のイサダを使っていることが話題になって、うれしかった」と話す。
かごは処分せずに、日課としている砂浜での環境美化活動や、自宅近くの畑作業で活用する予定。東さんは「東日本大震災の時は、沖縄にも津波が来た。かごは三陸から直接流れてきたのではなく、太平洋を何度か回った後で来たものではないか。壊れてはいないので、こちらで使っていきたい」と話している。






