旧日頃市中の利活用要望 ひころいち町まちづくり推進委 地区公民館機能移転など
令和3年10月13日付 1面


利活用のあり方が注目される旧日頃市中学校の校舎
大船渡市のひころいち町まちづくり推進委員会(山下通会長)は12日、市に対して「旧日頃市中学校施設の利活用に係る要望書」を提出した。新たな住民の集いやコミュニティースペースとしての利活用を見据えた地区公民館機能移転のほか、柔軟な民間活用などを掲げ、市当局に理解を求めた。
市役所には山下会長ら役員が訪問し、戸田公明市長や小松伸也教育長が対応した。山下会長は「地区内だけにとどまらず、できるだけ有効に活用できるようにしてもらいたい」と話し、要望書を提出した。その後の懇談は、非公開で行われた。
提出した要望では「大船渡一中の校舎改築に伴う部活動などの代替施設として使用した後は、現在の地区公民館施設が有する地区住民の集会、活動の機能(スペース)を旧日頃市中学校施設の一部に移転し、地区の新たなコミュニティー施設(スペース)とする」と明記。市教委による教育相談室の設置継続も求めている。
さらに▽市や地区で利活用しないスペースについては、民間企業などによる利活用も含めて柔軟に対応し、施設全体を有効に生かしてほしい▽屋内・屋外運動場は地区行事や地区住民のスポーツ活動に使用できるよう、学校体育施設開放事業と同様に貸し出しを──も盛り込んだ。
日頃市中は昨年3月、大船渡一中との統合で閉校し、73年の歴史に幕を下ろした。校舎は地区の中心部に位置し、各種行事の会場となるなど住民の愛着も深いことから、地区内では閉校前から「日頃市中学校活用等検討委員会」「日頃市の未来を語る会」を設け、若い世代や女性の参画も促しながら、校舎活用や将来展望の議論を重ねた。住民アンケート調査も実施して地区の意見集約を図り、本年度に「地区づくり計画」を策定した。
計画の主要事項の一つには、旧校舎施設利活用を挙げた。地区の総意として「新たな住民の集いや活動の場となるコミュニティースペースとして利活用するため、現在の日頃市地区公民館機能の移転を中核としつつ、大規模施設であることから、市や民間企業による利活用の共存も含め、地区の活性化に向けて有効な利活用を図る」とし、要望準備を進めてきた。