「道東イワシ」水揚げ 市魚市場 巻き網船入港で174㌧

▲ 今季初めて大船渡市魚市場に水揚げされた「道東イワシ」

 大船渡市魚市場で13日、北海道の東沖で操業した巻き網船によるマイワシ174㌧の水揚げが行われた。この時期は「道東イワシ」と呼ばれ、水揚げは今季初めて。ぐずついた天候の中、場内に活気をもたらした。
 入港したのは、茨城県神栖市の「第七十八稲荷丸」で、前日に漁獲。南側岸壁では次々とタンクに移され、フォークリフトやトラックが慌ただしく行き交った。
 入札では1㌔45円~60円で取引された。漁船関係者は「今はまだ40~60㌘が中心だが、これから大きくなってくるのではないか。今のところは昨年より少ない感じがする」と話していた。
 道東で漁獲されたマイワシの水揚げは、北海道での水揚げよりも競り値が高いとされるほか、近年はサンマの不漁が続く中、引き合いが多いという。昨年は先月9日から本格化しており、今季は約1カ月遅い状況となっている。
 ここ数年、サンマやスルメイカなど漁船漁業の主力となる魚種の不漁が続く一方、資源量が豊富なマイワシが代替魚種として注目を集める。同市魚市場の2年度実績をみると、数量は全体の4割を超える1万4974㌧で、元年度を23・7%上回った。
 本年度上半期(4~9月)の実績をみると、数量は3742㌧で前年度比45・9%、金額は1億4658万円で同50%それぞれ下回っており、今後の漁況の行方が注目される。