イシカゲ貝 地元消費促進へ きょうからお得に販売 マイヤ高田店で限定セール

▲ 陸前高田市の特産エゾイシカゲガイを値引きして販売する

広田湾漁協が試験的に格安で提供

 

 陸前高田市の広田湾漁協(砂田光保組合長)は、㈱マイヤ(本社・大船渡市、井原良幸代表取締役社長)や陸前高田市と連携し、ブランド化を進める特産エゾイシカゲガイの市内消費促進を図る。高田町のスーパー「マイヤ高田店」で16日から31日(日)まで、週末限定で割引セールを行い、市が漁協に対して値引き分を補助する試験的な取り組み。新型コロナウイルス禍に伴う全国的な外食需要の低下を背景に市場への出荷が伸び悩む中、地元消費者にお得な価格で提供し、広田湾産の高級貝をPRしていく。

 セールは、16、17(日)、23(土)、24(日)、30(土)、31日に数量限定で行う予定(完売次第終了)。殻付き(4個入り)、刺し身用(3個分)の2種類を、それぞれ400円引きの580円で販売する。
 広田湾漁協によると、マイヤが経営するスーパーでのエゾイシカゲガイの取り扱いは今年から始まり、現在、気仙地区や本県内陸など計13店舗に卸している。
 セールは市民をメーンターゲットに据えることから、高田店を対象店舗とする。同社に通常より安価で出荷し、市がコロナ対策として独自に創設した水産物販売促進の補助金を活用する。
 高級すしネタとして知られるエゾイシカゲガイは、濃厚なうま味や甘みが特徴の二枚貝。同市では全国で唯一、大規模に養殖が行われており、漁協は「広田湾産イシカゲ貝」の名前でブランド化を推進している。
 今季の水揚げは、昨季よりも2週間ほど早めの7月中旬に始まった。例年以上に確保できた天然の種苗が順調に成育し、漁協は過去最高の90㌧の出荷を目指している。
 しかし、新型ウイルス感染拡大の影響で、盆明けから需要が低下。メーンの東京・豊洲市場からは例年より少ないながらも安定して注文がある一方で、各地方卸売市場での需要が落ち込んでおり、生産者が打撃を受けている。
 同漁協は、組合独自のオンラインショップでもエゾイシカゲガイの送料無料キャンペーンを展開している。
 同漁協業務課の戸羽新二課長は「協力していただいた関係機関、企業に大変感謝している。コロナ禍の影響を受けながら頑張っている生産者のためにも、ぜひこの機会に地元でしか生産されていない広田湾産イシカゲ貝を味わってほしい」と呼びかける。