今年も「豪雨・洪水想定」 11月14日 防災訓練 ハザードマップ確認もPR
令和3年10月16日付 1面

衆院選対応で日程変更
大船渡市による防災訓練は、11月14日(日)午前7時30分から市内全域で行われる。当初は今月31日(日)に計画していたが、衆議院選挙の投開票日と重なるため、日程を変更。昨年に続き、豪雨による洪水や土砂災害に備える行動を確認するほか、新型コロナウイルス感染防止に対応した避難所開設訓練も予定。避難行動に加え、市が今年6月に全世帯配布した地区別水害ハザードマップを活用し、危険箇所や避難ルート把握などへの意識向上も呼びかける。
毎年秋に実施している防災訓練はこれまで、地震・大津波に備えた避難行動などを確認。昨年初めて豪雨による洪水・土砂災害を想定した訓練を行い、一般住民や自主防災組織関係者は約3400人、訓練参加機関から約900人が参加した。
近年、気仙でも豪雨や台風接近への警戒が相次いでいる。一昨年10月には、大型で強い台風19号の接近を受け、気象庁は重大な災害が発生する恐れがあるとして気仙3市町に対して初の「大雨特別警報」を発令。今年7月にも、台風8号接近に伴って市が「高齢者等避難」情報を出し、避難所を開設した。
全国的にも豪雨災害が多発している状況を踏まえ、本年度も豪雨による洪水や土砂災害への対応を確認する。「台風の接近により前日から大雨が続き、洪水や土砂災害が発生する恐れがあることから、市は『高齢者等避難開始』などを発令。市内では、土砂崩れや家屋の損壊などが発生した」との想定で実施する。
訓練では▽洪水および土砂災害を想定した避難▽コロナ禍における指定避難所開設および運営▽洪水被害に備えた水害防御▽防災行政無線などからの情報伝達▽災害対策本部および地区本部設置──を実施。地域ごとに運営する自主防災組織の訓練も予定されている。
各避難所では、新型ウイルスの感染防止策も講じ、訪れた住民らを誘導する。受付時の手指消毒や体温測定に加え、避難者間の距離を確保するパーティションの設置方法も確認。長時間の滞在を避け、屋外や車内で待機するなど「密」の回避も図る。
市は6月、洪水や土砂災害の危険箇所を反映させた地区別水害ハザードマップを配布。地図上では、県が令和元年度に「1000年に1度」の豪雨を想定した盛川水系の洪水浸水想定区域などを示したほか、昨年のワークショップで住民から寄せられた危険箇所を記載した。
さらに、11カ所にとどまっていた豪雨・土砂災害対応の指定避難所を53カ所に増やした。これまでは、各地区に1施設しかなかったが、地域公民館や自主防災組織などと連携をとりながら3~10カ所を確保した。
また、ハザードマップでは、最寄りの避難所や歩いて避難した際に要した時間、家族の連絡先を記入できる欄もある。住民には各項目の記入や避難場所となる施設の確認を求めるほか、避難場所での密集を避けるため、安全な親戚宅などへの避難についても、普段から想定するよう呼びかける。
戸田公明市長は「ハザードマップは常に自宅にあるもの。一度、ぜひじっくりと目を通してほしい。身近な情報をはじめ、多くの知識を得ることができる」と語る。
訓練は午前9時ごろ終了予定。市防災管理室は「避難の際はBRTや列車の走行に注意を。自宅の防犯、防火も十分確認し、マスクを着用するなど感染症対策を心がけてほしい」としている。問い合わせも同管理室(℡27・3111内線251)へ。