2021衆院選/短期決戦 きょう公示 岩手2区は前新3氏が立候補予定

▲ きょう公示を迎える衆院選のポスター掲示板。岩手2区は3氏が立候補を予定している

 解散に伴う第49回衆議院議員総選挙は19日に公示され、31日(日)の投開票に向けて12日間の選挙戦に突入する。気仙2市1町を含む岩手2区には、自民党の前職、立憲民主党と「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(NHK党)の新人の計3氏が立候補を予定。コロナ禍にあえぐ中、解散から投開票までわずか17日間という〝短期決戦〟となり、有権者の判断が注目される(文中等の立候補予定者名並びは衆議院解散時の勢力順)。

 

 今月4日に就任した岸田文雄首相は、国民の信任を背景に大型で思い切ったコロナ対策や経済対策を実現したいとして、14日に衆議院を解散。同日の臨時閣議で19日公示、31日投開票の選挙日程が決まった。
 衆院選は、小選挙区の区割り改定後に行われた平成29年10月以来4年ぶり。小選挙区(289議席)と、全国11ブロックごとの政党得票率で選出する比例代表(176議席、うち東北13議席)で、465議席を争う。
 戦後の衆院選のうち、首相就任から衆院解散までの日数が10日間、解散から投票日までが17日間は、いずれも最短。衆議院議員の任期満了日は今月21日だったが、任期満了日を超えた投票となるのは戦後初めてという、異例づくしの選挙となる。
 新型コロナウイルス対策や経済対策、岸田首相が掲げる「新しい資本主義」の是非などが争点として挙げられる。政権交代以降、これまで9年間に及んだ自民、公明両党の政権運営も問われることになり、両党で過半数の233議席を維持できるか、多くの小選挙区で候補者の一本化を進めている野党が阻止するかが焦点となる。
 気仙を含む岩手2区に立候補を予定しているのは、自民党の前職・鈴木俊一氏(68)=9期、立憲民主党の新人・大林正英氏(57)、NHK党の新人・荒川順子氏(68)の3人。
 岸田内閣で財務相に就任し10選を目指す鈴木氏に、気仙では新顔となる元釜石市議の大林氏と、関西出身・関東在住で主婦の荒川氏が挑戦する構図となりそうだ。
 各陣営は19日、県庁内の県選挙管理委員会(午前8時30分~同10時30分は盛岡市のサンセール盛岡)で立候補の届け出を行ったあと、本州一の広さとなっている選挙区での運動をスタートさせる。
 鈴木氏は午後0時45分ごろに宮古市の宮古駅前で、大林氏は午前11時ごろに釜石市の選挙事務所前で、それぞれ第一声を上げる予定。荒川氏は立候補届け出のあとに選挙区入りはするが街頭演説などの予定は立てていないといい、動画投稿サイトなどを通じて訴えを広げる考えだ。
 このほか、県内からは比例代表単独で、立憲民主党の新人・佐野利恵氏(31)と、社民党の新人・久保孝喜氏(67)の2人が、立候補を予定している。
 18日現在の岩手2区における選挙人名簿登録者数(在外を除く)は、37万143人(男17万7864人、女19万2279人)。このうち、気仙3市町は大船渡市が3万263人(男1万4425人、女1万5838人)、陸前高田市が1万6192人(男7801人、女8391人)、住田町は4527人(男2216人、女2311人)となっている。