住田町でナラ枯れ被害 県が公表 町が今後、伐採駆除へ

▲ 住田町で確認されたナラ枯れの被害木(県森林整備課提供)

 県農林水産部森林整備課は、住田町で初めてとなるナラ枯れ被害の確認を公表した。同町世田米地内の山林で発見された2本の枯死木から確認したもので、今後、同町が伐採駆除を行い、県と共に監視を続けていく。気仙ではすでに大船渡、陸前高田の両市で被害が報告されており、すべての市町にナラ枯れ被害が及んだこととなる。

 

確認は初めて 

 

 ナラ枯れは、カシノナガキクイムシが繁殖のために材内に入った際に持ち込まれた病原菌(通称・ナラ菌)により、主にミズナラやコナラなどのナラ類が枯死する伝染病。被害木の株元には、カシノナガキクイムシが穴を開けたときにできた木くずなどの粉(フラス)が見られる。
 県内ではこれまで、沿岸部や県南部を中心に気仙両市を含む17市町村で確認。本年度は新たに、住田町と野田村で見つかった。
 このうち、住田町では9月7日、県大船渡農林振興センターの職員が世田米字城内地内の山林でナラ枯れ疑いがある枯死木2本を発見。同22日に県と町が合同で現地調査を行い、枯死木から材片を採取した。
 この材片を県林業技術センターが調査し、分析。その結果、今月15日にナラ枯れ被害との判定を受けた。
 枯死木が発見された地点は、昨年度に被害が見られた大船渡市日頃市町地内の山林から西側約1・5㌔に位置する。県森林整備課によると、ナラ枯れは発生地点から2㌔圏内は被害区域に当たるため、昨年の被害地点から伝染した可能性があるとしている。
 確認された枯死木は、来年1月末までに住田町が駆除を予定。その後も被害拡大が起きないよう、県、町、関係機関が連携し、周辺地域での監視強化を図るとしている。