「オンライン祝福」充実を 首都圏での結婚披露宴支援 大船渡テレワークセンター

▲ 結婚式披露宴会場の映像を囲んでの記念撮影も

 大船渡市大船渡町の活魚すごうで23日夜、埼玉県さいたま市で開かれた結婚式披露宴の会場をつないだ「オンライン参加」が行われた。盛町の大船渡テレワークセンターが協力し、パソコンやカメラを持ち込んで大型画面で会場の雰囲気を楽しむだけでなく、大船渡からもメッセージを発信。仲間が久しぶりに集まってにぎやかなひと時を過ごし、好評を博した。

 

飲食店個室で地元友人〝出席〟

 

 新郎は住田町世田米出身の会社員・中舘涼太さん(33)。結婚を祝おうと、活魚すごうには高校時代の同級生6人が集まった。
 6人はいずれも、事前に招待状を受け取っていた。しかし、緊急事態宣言が出ていた8月中に返信を出さなければならず、会場への出席は見送り、オンラインでの参加希望を出した。
 参加者それぞれが、パソコンやタブレット端末につなぎ、披露宴会場の映像を楽しむことも可能だった。それでも「集まれる人で一緒に見ることができないか」と、大船渡市三陸町越喜来在住の団体職員・斉藤新吾さん(32)が、大船渡テレワークセンターに相談した。
 運営業務を担う㈱地域活性化総合研究所(新沼謙治代表取締役、地活研)は今年、地元企業とともに結婚式披露宴や葬式をオンラインで行うサービスの検討に着手。センターの機材を活用し、オンラインでもより一体感を出しながら楽しめる形をつくりだそうと、活魚すごうの協力を得ながら準備を進めた。
 オンライン会議システム・Zoom(ズーム)をつないだパソコンや大型テレビに加え、室内360度を撮影できる固定型のカメラを用意。披露宴用の衣装で訪れた6人がカメラを囲むように座り、食事を楽しみながら配信映像を見守った。
 さいたま市の会場には、大船渡で〝出席〟した同級生の等身大パネルを用意。ビデオメッセージを示したり、カメラの前に文字で思いを示すなどしながら新郎新婦らとコミュニケーションをとる時間もあった。
 斉藤さんは「本当は参加したかったけど、地元から祝福の思いは伝えられたのではないかと思う。こういうシステムがあったから、地元にいる人同士で集まる機会ができた」と話し、笑顔を見せた。
 大船渡テレワークセンターでは「比較的コンパクトな個室を生かすことができるので、市内飲食店の応援にもつながるのでは。今後も地元飲食店の利用促進につながるよう、相談に応じていきたい」としている。