川原川に遊びにおいで きょうまでイベント 名古屋の伝統工芸WSも(別写真あり)

▲ そり滑りを楽しむ子ども

 陸前高田市中心部を流れる川原川沿いのにぎわい創出を図ろうと、物販やワークショップ(WS)を行ったり、遊び場を提供するイベント「カワラガワぷらっと」が30日、川原川公園で開かれた。東日本大震災後、同市と交流を深める愛知県名古屋市の伝統工芸「有松鳴海絞り」を体験できるWSも用意され、親子連れなどが訪れた。イベントは31日まで。


 主催は、名古屋市の那古野地区の商店街再生などに取り組む㈱ナゴノダナバンク(市原正人、藤田まや両代表取締役)と、陸前高田市のまちづくり会社・陸前高田ほんまる㈱(磐井正篤社長)。
 好天に恵まれ、午前10時の開始とともに、大勢の市民らが訪れた。会場では芝滑り用のそりを貸し出し、ヒツジやヤギと触れ合えるコーナーも。ハンバーガーや米崎りんごなどの販売も行われた。
 大船渡市末崎町の佐々木雪乃ちゃん(5)は、母親と一緒に満喫。「そりで滑ってとても楽しかった。リンゴあめもおいしいです」と満面の笑みを浮かべた。
 有松鳴海絞りのWSコーナーでは午前中、約20人が有松地区などに古くから伝わる絞り技法「板締め」の一つ「雪花絞り」を体験。ハンカチやスカーフを染料につけて雪の結晶のような模様に仕上がると、子どもたちが歓声を上げた。
 講師は、有松鳴海絞りの浴衣を製造する㈲野々山絞り(愛知県みよし市)代表取締役・野々山元春さん(48)。「陸前高田で伝統技術を伝えられる場を提供していただきありがたい」と話した。
 今回のイベントは、昨年度始まった陸前高田、名古屋両市による市民交流団派遣事業をきっかけに実施が決まった。昨年11月、ナゴノダナバンク役員と陸前高田市中心部の出店事業者らが同事業の一環で懇談し、本年度から両者連携のもと川原川周辺のにぎわいづくりを検討している。
 本年度も名古屋市からは産業や防災、スポーツなど4分野の市民団が順次派遣される予定。第1弾の産業分野は29〜31日の日程で訪れており、31日には高田町の「ほんまるの家」で名古屋のフレンチシェフや料理研究家と陸前高田の飲食店事業者らによる交流事業が行われる。
 ナゴノダナバンクの藤田代表取締役(39)は「たくさんの子どもたちに来てもらい、和やかでとてもいい雰囲気。中心市街地や川原川沿いににぎわいが生まれるような計画を地元の方と一緒に話し合っていきたい」と見据える。