東日本大震災10年/三陸の明るい未来願う 復興祈念ガラコンサート(別写真あり)

▲ 熱い思いのこもったパフォーマンスで会場に笑顔を届けるアーティストら

 三陸復興祈念ガラコンサート(幸せ出ずる国いわて実行委主催)は3日、陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園特設ステージで開かれた。各地の著名アーティストや地元団体が出演し、音楽やアートの多彩なパフォーマンスを披露。東日本大震災後、力強く前へと進む三陸地域の明るい未来を願った。
 ステージには、男性アイドルグループ・NEWS元メンバーで、アーティストの手越祐也さんや、ロックバンド「MONKEY MAJIK」、演奏家の式町水晶さん(バイオリン)、中野翔太さん(ピアノ)、サンドアーティスト集団「SILT」、地元の氷上共鳴会、陸前高田市民吹奏楽団が出演。市民ら約550人が来場し、インターネットでの配信も行われた。
 オープニングでは、式町さんが、被災木で作られたバイオリン「TSUNAMIヴァイオリン」を使って『上を向いて歩こう』を独奏。震災の記憶を伝承する、透き通るような音色で聴衆を魅了した。
 次いで、氷上共鳴会が「氷上太鼓」を熱演。地域活性を願うメンバーらの、気迫に満ちた太鼓囃子が観衆の心を打った。
 演奏後、同会の鈴木武幸会長(72)は「震災から10年。全国からの支援への感謝をこめて演奏させていただいた」と語った。
 戸羽太市長も、震災後の国内外からの支援に感謝したうえ、同公園の成り立ちについて説明し、コンサートの実現を祝福。黙とうでは、会場の全員で震災犠牲者の冥福を祈った。
 その後は、ステージで出演者らが歌や演奏、アートパフォーマンスを披露。クラシックやJポップの音楽、サンドアートなど、ジャンルの壁を越えて集ったアーティストらが、奇跡の一本松をバックに多彩な演出を繰り広げ、観衆に感動と笑顔を届けていた。
 実行委は、県や東北運輸局、県観光協会、三陸沿岸自治体などの代表者らで構成。平成23年に設立され、県内文化遺産を活用した舞台芸術の上演や、伝統芸能の後継者育成などの事業を実施している。
 同コンサートは、東日本大震災から10年が経過した三陸の今を発信し、復興を祈念しようと開催。当初9月を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえて延期された。