『けせんシネマ』完成へ 大船渡高生制作の地域映画 タイトルは 『おもかげ』
令和3年11月12日付 7面
大船渡市の県立大船渡高校(吉田祥校長)3年生17人が制作に取り組んできた地域映画『けせんシネマ』に完成のめどが立ち、10日、同校で初号試写会が開かれた。気仙の昭和時代を記録した8㍉フィルム映像と、フィルム提供者へのインタビューをつなぎ合わせて構成した映画で、タイトルは『おもかげ』。今月中に動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で公開する予定で、生徒たちが「多くの人に見てもらえるように」と願いを込めている。
YouTubeで順次公開
『けせんシネマ』制作の取り組みは昨年度、気仙3市町の昭和時代を映画として残し、発信することで、地元の歴史や文化、伝統を知り、広めるきっかけにつなげようと、同校有志によってスタート。同秋の完成を目指していたが、新型コロナウイルスの影響で思うように作業が進められず、本編は完成しなかった。
本年度は、選択科目「表現」を受講する3年生17人が有志の活動を継承し、映画制作を授業の一環として実施。平成26年に東京藝術大学の学生らが大船渡市民から募った8㍉フィルムなどの映像をつないで制作した記録映画『よみがえる大船渡』で監督を務めた映像作家・三好大輔さん(49)=長野県松本市=が監修を担い、ノンフィクション作家・川内有緒さんや、フォーリーアーティスト・滝野ますみさん、グラフィックデザイナー・丸山素直さんらの指導のもと、生徒たちが気仙の昭和時代を記録した8㍉フィルムの映像を住民らから募り、使用シーンの復元、選別やインタビュー、音声の録音、ポスター、パッケージ製作などに取り組んできた。
映画完成のめどが立ったことから開催された試写会では、生徒や教職員のほか、三好さんもリモートで様子を見守った。
約43分間の映像には、大船渡、陸前高田、住田それぞれの昭和時代の何気ない日常風景や地域、学校行事、冠婚葬祭のほか、生徒が行ったフィルム提供者へのインタビューパート、生徒が映画に込めた思いを語るシーンなどが盛り込まれた。無音のフィルム映像に生徒たちが吹き込んだ音に加え、背景で流れる大船渡東高校太鼓部の曲と生徒のピアノ演奏も、映画に温かみを添えている。
制作グループの一人で映像を鑑賞した今野一宏君は「授業での積み重ねが一つの映像としてつながり、『映画を作ったんだ』という実感がわいた。映像を見て、今と昔でまったくまちの姿が変わった印象を受けた。かつての気仙を知る高齢者だけでなく、昔のまちを知る意味でも、若い世代から高齢の方まで幅広い世代に見てもらいたい」と話していた。
今後は編集などの最終調整を行い、15日(月)ごろには「YouTube」に予告編を投稿し、本編が完成し次第、同サイトで公開する予定。映画の活用方法については、「地域の方々に有効活用していただけるように検討していく」としている。






