サル農作物被害防止へ地元向けに位置情報提供 日頃市で22日から本格運用
令和3年11月17日付 1面

日頃市町・小通公民館敷地内に基地局を設置
大船渡市内でニホンザルによる農作物被害が拡大している中、市は日頃市町内に動物位置を把握できるシステム「ANIMAL MAP(アニマルマップ)」の基地局を設け、22日(月)からサルの位置情報をスマートフォンなどで確認できる取り組みを始める。町在住者や農業被害を受ける生産者に対して、閲覧できるパスワードなどを配布する方針。被害防止策の充実につながるか、今後の取り組みが注目される。
群れの1頭にGPS装着
サルの群れは大船渡市、釜石市、住田町にまたがる五葉山に存在し、この2市1町での被害が顕著。平成26年ごろから各地の集落付近で目立つようになり、野菜など農作物への被害が続く。大船渡市はこれまでも、電気柵設置などに取り組んできたが、食害は後を絶たない。鳥獣被害は営農意欲の減退や耕作放棄地の増加にもつながり、被害作物量や金額以上に深刻な影響を及ぼす。
市が実施したアンケート結果によると、令和元年度の被害額は36万円だったが、昨年度は118万円に増加。このほかにも、サルによる被害と特定できなかったり、報告を行わず〝泣き寝入り〟する生産者も多いとされる。
市は昨年度から市内で確認されている個体群のうち、基本的には群れを離れることがないメスに、GPSが付いた首輪発信機を装着し、行動域調査を行っている。さらに今年9月には、発信機からの位置情報を受信できる基地局を、特に被害が目立つ日頃市町の八幡神社境内と小通公民館敷地内に設置した。
調査によると、同町を中心に人里で影響を及ぼしているのは33頭による1群。発信機からの位置情報を基地局で受信することで、インターネット上で位置情報を確認できる。
基本的には、毎日サルの位置情報が最大6回程度取得可能。現段階で、群れのメス1頭に発信機が付いており、集団の動きに対応している。最新の位置に加え、日中、夜間それぞれの行動も分かる。
アニマルマップは、釜石市が県内で先駆けて導入。住田町では、9月に世田米・中沢公民館に基地局を設置し、本格運用に向けた準備を進めている。
サル被害防止対策は、地域ぐるみでの活動が重要とされる。学習能力や環境適応力が高い習性を逆手にとり、恐怖を与えて逃げさせるための追い払いや追い上げに加え、えさとなるようなものを人家の近くに置かないといった防止策も欠かせない。
アニマルマップの活用で、効果的な追い払いなどが期待できる。市農林課では「このシステムで位置が分かることで、将来的には他の予防策も組み合わせながら、さらなる被害防止策を講じることができるのでは」と、今後を見据える。
サルの位置情報がリアルタイムに近い状態で確認できるため、動物虐待や悪用防止の観点で、閲覧はIDとパスワードで管理。閲覧できるIDとパスワードは、日頃市町の住民か、町内在住者以外ではサルによる農業被害がある人に限定する。
22日以降、日頃市地区公民館と同課(市役所3階)の各開庁時間中に随時配布。申請時は、氏名や住所などの記入を求める。
問い合わせも同課(℡27・3111内線338)へ。






