新型コロナウイルス/国の新対処方針など確認 県本部員会議で報告 大船渡支部でも共有

▲ 県本部員会議の協議内容などを確認した大船渡地方支部会議

 第39回県新型コロナウイルス感染症対策本部大船渡地方支部会議(支部長・森達也沿岸広域振興局長)は22日、大船渡市猪川町の大船渡地区合同庁舎で開かれた。同日行われた第44回県本部員会議をオンラインで視聴し、国が19日に決定した新たな「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の概要や、今夏における県内第5波の総括内容などを確認。情報共有を図り、次の感染拡大への備えとした。
 支部会議には、副支部長の大久保義人副局長ら約20人が出席。県本部員会議をオンラインで視聴後、気仙圏域の現状などについて意見交換した。
 県内では今月14日以降、新たな感染患者の確認はなく、22日現在で入院、宿泊療養者もいない状況となっている。全国的にも感染者の減少が継続する中、国は全国の現状や今夏の感染拡大ピーク時の状況などを踏まえ、基本的対処方針を全面的に改訂した。
 新たな方針では、感染力が今夏の2倍となった場合にも対応できるよう、医療提供体制の強化やワクチン接種の促進、治療薬の確保を対策の柱に据えた。また、ステージ(段階)で分類してきた感染状況を「レベル0(感染者ゼロレベル)」~「レベル4(避けたいレベル、感染症への医療に対応できない状況)」と五つのレベルで分け、緊急事態宣言の発出などの考え方を見直す。
 さらに、ワクチン接種の進ちょくを踏まえ、第三者認証制度やワクチン・検査パッケージなどを活用し、行動制限を緩和するとしている。
 また、県の感染症対策専門委員会(櫻井滋委員長)がまとめた第5波の総括も報告。総括によると、専門委では県内における今夏の感染拡大について、「全国的に新規感染者が増加する中、県内への人口流動により、感染力が強いデルタ株による感染が県内でも拡大し、これまでにない流行となったと考えられる」との見解を示した。
 県が8月12日~9月16日に発出した独自の緊急事態宣言に関しては、「感染拡大の抑制に一定の効果があったと推察され、適時の発出であった」と評価。今後、再び緊急事態宣言を発出し、解除をする場合には、今回の「人口10万人当たりにおける直近1週間の新規感染者数」を目安とする方法に加え、「収束傾向が見られてから、2週間程度の期間をめどとすることも考えられる」と新たな方向性にも言及した。
 県はこのほか、ワクチン接種の進ちょく状況なども公表。今月17日時点、県内の12歳以上人口に占める9割が1回目を終了し、今月中には希望する全県民が完了する見込みとした。医療従事者や高齢者向け第3回の接種については、12月と来年1月に予定する約5万人分として、国からファイザー製ワクチン5万2650回分(45箱)が配送される見通しであることも示された。
 県の病床・宿泊療養施設確保計画と、検査体制も国の動きに応じて見直された。このうち、確保病床数(重症者用も含む)は従前の350床から400床に、宿泊療養施設室数は300室から370室に拡大する。
 大船渡支部会議では、委員らが意見交換も行いながら、国、県の今後の対応などを確認し、気仙での感染拡大防止に努めることとした。